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【ウ行】 |
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★ウエストショット <C>
人物の腰から上を納めた画面のこと。
★ウーファー <A>
低音用のスピーカーユニットである。コーン型がほとんどで、口径は小口径のユニットは10cm、大口径のユニットでは76cmというものもある。小口径であっても、エッジやダンパーをやわらかくすればウーファーとして使える。ミニコンポやラジカセのスピーカーユニットはこのタイプである。
重低音を出すには大口径スピーカーが有利であるが、欠点は箱が大きくなることと中高音がきたない事である。
価格も高い(これが最大の欠点かも知れない)。ウーファーで大切なことは、5000Hzすくなくとも3000Hz位までの中高域にクセがない事である。その点、小口径のスピーカーユニットは有利である。
★衛星放送 <V>(注)本AV用語辞典執筆当時1990年頃の解説です。
1984年に打ち上げられた放送衛星ゆり2号aによって、世界で始めて一般家庭に放送電波を直接送ることを目的に行われている放送。
現在NHKのみの運用で、BS11chとBS15chによる実用放送が行われている。ゴーストのないクリアな映像、 CDに匹敵するデジタル音声など、当初、難視聴地域向けに開発されたにもかかわらず、ニューメディアとしての役割が期待されている。
先日、ゆり3号a(耐用年数7年)が打ち上げられた。これが本格運用されると、NHK2chに加えて、民放1chが開局される。この衛星が寿命を迎える頃、8ch全ての本格運用がなされるとのことである。
★HQ えいちきゅー <V>
High Quality の略で、VHS陣営がハイバンドβに対抗して採用してきた高画質化技術。ハイバンドβほどの改善効果がなく、当時VHSファンはハイバンドVHSの採用を強く望んだ。
なお、HQの表示ができるのは以下の4つの基本技術のうち、1.を含んで最低2つ以上採用しなければならない。
1.ホワイトクリップのアップ(160%→200%)。
2.ノンリニアエンファシス(ディテールエンハンサともいい、再生動作はない。記録時のみにかけ、再生時の小振幅信号のレスポンスを上げようとする試み)
3.輝度信号バーチカルノイズキャンセラ
4.カラー信号バーチカルノイズキャンセラ
★HDTV えいちでぃーてぃぶい <V>
High Difinition TV の略で、NHKが開発した次世代TVと目される、高品位TV。ワイドな画面、走査線数の増大、高解像度、PCM音声など、現行TVを遥かに上回る性能をもつ。その画質は35mmシネフィルムに相当するといわれており、家庭での普及が待たれる。全世界で統一規格としようとする動きがあったが、欧米の反対で日本のみのローカル規格となる可能性が大きい。
★H並べ えいちならべ <V>
テープ上に斜めに記録されるビデオトラックに、ほぼ垂直に水平同期信号を並べて記録する。そのようなパターン。
★AHD えーえいちでぃー <A>
日本ビクターが、CDに対抗して規格化したデジタルオーディオ規格。当初、Audio High Density Disc の略であったが、CDの爆発的な普及のために方向転換を余儀なくされ、現在は Advanced High Density Disc と称している。
VHDプレイヤーに、AHDアダプターを接続して再生音を得る。4チャンネルを持っていて、ステレオ再生又は3チャンネルと2.6秒に1回程度の静止画像の再生ができる。静止画像はデジタルで記録してあり、きわめて高品位。
★AM変調 <AV>
Amplifier Modulation 変調の略。振幅変調と訳される。搬送波と呼ばれる、ある一定の周波数の波の振幅(波の大きさ/電気信号の場合電圧の高さ)を、入力信号の波形に応じて変える方式。
入力信号の大きさに従って変調する場合を正変調、その逆に、入力信号が大きいほど変調が(振幅が)小さくなる場合を負変調と言う。
前者はAMラジオ放送に、後者はテレビジョン(VHF/UHF)放送の映像信号に使用されている。
★エコー <A>
こだま、残響音の事。劇的な効果があるのでよく使用される。奥行き感を与えるために必須の効果。
★絵コンテ えこんて <V>
絵付きコンティニュイティーの略。絵付き台本。シナリオライターが書いた脚本を、映画のフィルムイメージとしてあらわしたもの。
手書きされることが多い(というか、まず手書き)。フィルムにおける秒数やコマ数、台詞、イラストなどが一緒に書き込まれたもの。
★AGC えーじーしー <A、V>
Auto Gain Control の略で、入力信号の強弱に応じて(フェージング)、自動的に感度を調整して最適な状態にもっていくこと、もしくはその装置。
8ミリのAFMや、VHSのハイファイ音声の自動録音機能はこれを利用したものが多い。
★SHF <他>
周波数帯域の名称。Super High Frequency の略。3000〜30000MHz(3GHz〜30GHz)を使用。UHFよりのさらに上の周波数帯域を使用し、TV放送ではBS放送に割り当てられている。
直進性が非常に強く(光の性質に似てくる)、外部からのノイズの影響が少ない。ハイビジョン放送もこの周波数帯を利用して行われる予定である。
★S/N比 えすえぬひ <A、V>
Signal to Noise ratio の略。信号対ノイズの比。通常dB(デシベル)で表示する。
★S端子 えすたんし <V>
日本ビクターが、S−VHSの発表と同時に採用した新しい映像信号の伝送方式に用いられる端子。カラー信号と輝度信号を分けて伝送する。
★S−VHS えすぶいえいちえす <V>
VHSをハイバンド化することによって高解像度化を図った規格。最近スーパーVHSと称することが多くなってきた。
★NF型接栓 <他>
F型接栓の防水性を考慮したコネクター。防水性のためにOリングなどが用いてあり、CATVの分配・分岐。
ビル共聴システムなどで信頼性を発揮する。
★NTSC えぬてぃーえすしー <V>
日本、アメリカ、カナダのTVの標準方式。National Telenvision System Committee の略。人間の目の性質を巧みに利用して色信号の狭帯域伝送を図っている。
カラー画像は、輝度・色相・彩度の3成分で表現されるが、NTSCでは再生画の大きさによって上記の3成分の伝送量を変え、復元時には位相から色相、振幅から彩度を表す。信号は周波数多重であるため、カラーTVでモノクロ画像を、モノクロTVでカラー画像の受信も可能。
主に水平走査線525本、1秒間60フィールド30フレーム。
★FMアンテナ <A>
放送電波を受信するための導波器、ラジエーター、反射器から成り立っている。導波器の素子が多いほど指向性が鋭くなり感度が上昇する。レコードで言えば針の役目をするのがアンテナであり、これの特性や調整の善し悪しでSN比や歪などが大幅に変わると言っても過言ではない。
アンテナ無しでも受信ができる場合もあるが、必ずどこかにアンテナの役目をするコードやコイルが組み込まれている。
★FM音声 <A>
1.ビデオに採用され、回転ヘッドで記録されるFM変調を利用した音声。VHSでは専用の回転ヘッドを用いる重畳記録方式、ベータと8ミリビデオでは映像ヘッドと兼用する周波数多重方式を採用している。
2.ビデオディスクで採用しているアナログ系の音声。
★FMチューナー <A>
FM放送を受信するための装置である。市販品の大部分はAMチューナーも内蔵されている。
FMとはフリークエンシーモジュレーション(周波数変調)という意味で、放送電波は音声信号の振幅を周波数変調をかけて送信している。FM放送はノイズや歪が少なく周波数特性も優れている。
AMとはアンプリチュードモジュレーション(振幅変調)という意味で、放送電波は音声信号の振幅を振幅変調をかけて送信している。FMにしてもAMにしても手軽な音声ソースである。
★F型接栓 <他>
ケーブルの外装導体がコネクタのテーパ部にリングで圧着され、中心導体は接続の際の中心ピンを兼ねるコネクター。
通常75Ω(オーム)同軸ケーブルの接続に使われる。
★fo えふぜろ <A>
最低共振周波数のことである。スピーカーのコーンを軽く叩くと「ポン」という音がする。これはコーンだけのfoであり、スピーカーユニットのfoではない。コーンを静かに深く押してすばやく手を放すとコーンは前後に振動する。この周期がfoである。
低音用の大口径のスピーカーほど周期が長く、高音用の小口径のスピーカーは周期が短い。周期が長いほどfoが低いのである。コーンが大きく(大口径)、重く、エッジやダンパーがやわらかいものほどfoは低くなる。foが低いほど低域の再生に有利である。
★MII えむつー <V>
放送用を目的に、NHKと松下が共同開発した1/2インチビデオシステム。ベータカムと同時期に、Mフォーマットを規格化したのだが、ベータカムが先に普及してしまったため再起をかけて作り上げた(これはほとんどカセットサイズがネックであったということである。
M→VHSカセット、ベータカム→ベータカセット、共に20分録画)。Mとは互換性はない。メタルテープの採用により、従来のVHS相当のフルカセット(ラージカセット)で90分の録画が可能である。スモールカセットを使えば従来同様20分の録画が可能。
★Mローディング えむろーでぃんぐ <V>
主にVHSに採用されているテープローディング方式。2組のローディングポールを、デッキに対して水平に引き出すのでテープ痛みはない。
ここから別名パラレルローディングとも呼ばれる。またその時のローディングポールの移動量は8cmで、ほとんど瞬間的に行なわれる。テープパスがM字型に似ているのでこの名前がある。
★LD えるでぃー <V>
Laser Disc の略。レーザーディスクの項参照。
★エンハンサー <V>
ビデオのダビングの際の画質劣化を防ぐための装置。おもに輪郭部分の信号がなまるのを強調し、補正する。
輪郭を強調するために、ある帯域を持ち上げる安価な方式から、ディレーラインを用いて輪郭を補正する本格的なものまであった(放送局で使われているものは、基本的に水平、垂直の輪郭補正がかかるタイプである)。
エディットポジションとは全く逆の発想である。当時エディットポジションのあるVTRがなかったため結構普及したようである。
★エンファシス <V>
家庭用ビデオの場合、裸の特性ではS/N的にかなり悲惨なものがある。そこで記録時に信号を強調して記録し、再生時にその分減衰させ、相対的にノイズを減少させている。
これをエンファシスと称する。オーディオでいうノイズリダクションに相当する。又はその為の電気回路の事。
主に記録時に行うエンファシスをプリエンファシス又はエンコードという。プリとは前にと言う意味の接頭辞。再生時に行うエンファシスはディエンファシスまたはデコードと呼ばれる。
★オクターブ6dBのカーブ <他>
信号周波数が倍(オクターブ)になると再生電圧も倍(6dB)になる。このカーブ。
★奥行きがある音 <A>
奥行きがある音とは、管弦楽などの音楽を聴いた場合、聴取位置に近い楽器の音から遥か彼方の楽器の音までの遠近の差が完全に解る音である。
奥行きが無い音とは、平板な音、平面的な音で遠近差が解らない音である。奥行きが解るためにはニュアンスの再現が大切で、1音1音取り上げたら殆ど聴こえないような細かい音から雑音までを再現しなければ奥行きは出ない。
またスピーカーの指向性や周波数特性および音量で奥行きが大きく変わる。
★オーディオ <A>
audioとは「音の」あるいは「可聴音の」という意味の接続語である。音は可聴音すなわち通常の人間の耳に聞こえる周波数20Hzから20KHzまでの範囲であり、これを可聴周波数という。
数万Hzの超音波はコウモリの耳に聴こえたとしても、人間の耳には聴こえないので音ではない。つまり「可聴音=音」なのである。
名詞としてのオーディオとは「録音から再生」あるいは「入力から出力」までの装置全体および「装置の操作や使用法」のことである。
★音が前に出る <A>
正確には、音像が前に出るという。中高域が持ち上がり気味で、歯切れが良く、指向性の良いスピーカーは音が前に出る。その逆を音が引っ込むという。
同じスピーカーでも大音量で聴くと音が前に出るが、音量が全く同じでも音が前に出るスピーカーと音が引っ込むスピーカーがある。
その原因は、音域のバランスや過渡特性および指向特性などである。
★オート機構 <A>
ほとんどは、アームの操作を自動的に行う機構をオート機構と呼んでいる。レコード演奏が終わると自動的にトーンアームが上がってアームレスト(元の位置)まで戻る機構をオートリターンと呼ぶ。
演奏途中でも、ボタンスイッチの操作で演奏を中断しアームレストまで戻る機構をオートカット、また、スイッチの操作で自動的にトーンアームが動き出して音溝におりる機構をオートリードインという。
これらの操作を全て自動的に行う機構をフルオート機構と呼んでいる。
昔は、オートチェンジャーという機構により10枚くらいのレコードの片面だけを自動演奏する装置もあった。
★音放れが良い音 <A>
すべての音がスピーカーの所で漂いながら鳴っている場合は音放れが悪いという。これに対し、音がスピーカーから飛び出してきてリスナーにぶつかってくるような感じを音放れがよいという。これは主として、スピーカーの歯切れや指向性によるもので周波数特性には関係ない。
★オーヘトラッキング <A、V、AV>
ビデオデッキやDAT、あるいはCD、CDV、LD、VHDにも採用されている。記録した信号の帯(トラック)を自動的に正確に追いかけて読み出すための機構。VTRの場合、大まかな調整は手動で行っていたが最近は全てを自動化するようになってきた。
ただし、最初からオートトラッキングを規格化しているもの以外では、その動作は完璧ではなく、いまだに手動のトラッキングボリュームを残しているものが多い。→トラッキング
★オーバーサンプリング <A>
1度ディジタルで記録したものを再び元の信号に戻すとき、Fsを中心にして(CDでは44.1の半分で約20KHz)折り返された高周波が音楽信号の上限近くに発生する。CDでは0±20KHz。
44.1±20KHz。88.2±20KHzのスペクトルが発生しこれを取りのぞくにはかなり精度の高いローパスフィルターが必要になるために、ディジタル信号の段階で不要な部分(この場合は44.1±20KHzなので24.1から64.1KHz)の信号をカットする。
そのためにFsの2倍の88.2KHzとして、高周波成分を音楽信号の20KHzから遠ざけて、後段のアナログフィルターの減衰量がなだらかな簡単なものですませるようにしたディジタルフィルター技術。
なお4倍、8倍も現在は実用化されている。
★Ωローディング おめがろーでぃんぐ <V>
民生用初のカメラ一体型ビデオ「ベータムービー」(死語)に用いられたテープローディング法。デッキの機構部(含、ヘッドドラム)の小型化のために、ヘッドをダブルアジマス化して1ペアのみ搭載し、ヘッドドラムに文字通りΩ型にテープを巻き付ける(巻き付け角は約300゜)。
残りの60゜は信号が記録できないが、そのためにベータムービーでは通常より走査を多くすることによってテープパターンにおいては通常のベータ方式と互換性がとれるようにした。
記録においてはこの奇抜さがよかったのだが、この機構では基本的に再生できないので、録再が可能だったVHSに潰されてしまった。
★オリエンテーション <A、V>
磁場配向のこと。磁性粉の大きさをそろえる。磁性体を針状に作る。磁性体の磁化されやすい方向に塗布する。
このようにすれば磁性体は記録されにくく消えにくい特性(高い角型比)を得られる。
★音圧 <A>
音圧とは音の強度のことである。気圧の変化の波を「音波」と言いその強さを気圧差で示す。それが音圧である。スピーカーのカタログには出力音圧レベルという項目がある。
出力音圧レベル100dBとか98dBと明記してある。音圧の測定は無響室でスピーカーの正面1mにマイクを据え付けて、アンプから1Wの入力を加える。
音圧とは、そのとき測定したときの音の強さが100dBとか98dBという意味である。音圧は、マイクとスピーカーとの距離が2倍になる毎に6dBずつ下がる。つまり、1mで100dBの音圧であったとすると2mでは94dB、4mでは88dB、8mでは80dB・・・というように。
★音楽性の豊かな音 <A>
「音楽性が豊か」といっても個々人の聴感により決まるもので様々である。国産のスピーカーの特性は優秀であるが、聴感は外国製のスピーカーの方が良いといわれている。
この場合は外国製のスピーカーの方が音楽性が豊かであるという。アンプの場合、今は殆ど見られなくなった管球式アンプの方がトランジスタ製アンプよりも音楽性が豊かであるという評価もあった。中低音のレベルを少し上げると音楽性が豊かになると言う評論家もいる。周波数特性がフラットであるほど、冷たく痩せた音になりやすいものである。
音楽性はあくまで感覚的なもので、「こうでなければならない」という訳ではない。音楽性を重視するメーカーもあれば特性最優先で音楽性など無視するメーカーもある。
★音源 <A>
スピーカーや楽器などのように、音波を出しているものを音源という。また、CDやカセットテープ、DATなどの入力ソースを音源という意味に使う事があるが、こちらは「音源」と言うより「音元」と解釈すべきだろう。
★音質 <A>
音の質のことである。音質が良いということは、あらゆる種類の歪が極めて少なく、入力ソースを忠実に再生できているという意味である。
★音色 おんしょく <A>
本来は楽器の音色の事である。たとえばフルートとヴァイオリンの音程は同じでも音色が異なるのはあたりまえである。また音色を決めるのは音の出方や消え方にもよる。
ピアノのように急峻に音が飛び出して急激に音が消え去るものや、オルガンのように和やかに音が出て余韻が残るように音が消える楽器もある。管楽器のように息づかいの聴こえるものや、ヴァイオリンのように弦を擦る音が混ざるなど音色は様々である。再生装置にはこれらの楽器の音色を完全に聞き分けられるような特性が必要とされる。
従って重要な事は、再生装置自体には音色を持ってはならないのである。しかし、場合によっては音づくりという事が必要な場合もある。たとえば、カーステレオやウォークマンで音楽などを聞く場合はグラフィックイコライザーなどで音色や部分的に再生周波数の調整する。
★音像(実音像) <A>
音源と音像が一致するから実音像である。人間は音源からの音波により頭の中に音源の像を作り出す。
トランペットを聞けば、そこにトランペット(音像)があることがわかり、オルガンを聞けばそこにオルガン(音像)がある事がわかる。スピーカーの音を聞いて、スピーカーの像が浮かべばこれも実音像である。
★音場 おんば <A>
ホールや室内などの一定の空間内での音源、反射音源、音波のあり方を言う。実音場または原音場ともいう。
★音場像 おんばぞう <A>
音場の中で人間の頭で構成する音場であり、必ずしも実際の音場とは一致しない。
★音量 <A>
音圧と音量は同じ意味のようだが同じではない。出力音圧レベルが同じでも音量が異なるスピーカーがある。無響室で測定して2mで94dBだったとしても、リスニング・ルームでは同じ距離でも100dBになる場合もある。
ツィーターにはディフーザーとか音響レンズをつけたものがあるが、音の総量は変わらないが正面の音圧は下がり側面の音圧は上がる。
ホーン型ツィーターはスポットライトのように音が前方に集中するためカタログ上での音圧レベルは大きくなる。ドーム型ツィーターはカタログ上での音圧レベルは小さいが側面で測定するとホーン型よりも音圧は高い。
原則としては音圧と音量は同じである。しかしカタログ上での音圧レベルが同じでも、スピーカーの音量が同じとは限らない。それは、音圧を測定するマイクと人間の耳とは根本的に異なるからである。
また人間は、身体全体でも音の強さを感じるし部屋の影響も多大である。モノーラルとステレオでは音圧は同じでも人間の耳ではステレオの方が音量感が豊かに聴こえる。4チャンネルやサラウンドになると更に音量感が増す。
中高音は同じでも低音が充実すると音量感が増す。中高音だけ音量を上げてもうるさいだけで全体のバランスが取れない。人間のためのオーディオである以上、音量とは音量感のことでなければならない。
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【カ行】 |
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★解像度 <V>
ビデオにおいて、映像信号のキメの細かさを示す指標となるもの。一般にキメが細かいほど画像品質が向上すると考えられており、キメが細かい画像を解像度が高いという。
TVにおいては垂直方向の解像度は走査線の数による制限のためこれ以上改善のしようがないので(EDTVでは見かけ上の垂直解像度を上げているが)水平方向の解像度で表現される。画面の左半分が白、右半分が黒の映像が表示出来れば水平解像度は2本(2テレビ本)という。最近のAV−TVは600本以上の物が当り前になっている。
★解像力 <A>
音の解像力の定義はないが、一般には多くの楽器で構成される管弦楽等を再生した場合に、ひとつひとつの楽器が聞き分けられる装置は解像力が優れているという。コーラスであれば何人で構成されているか解るくらいになれば更に優れているといえる。
★回転トランス <V>
回転しているビデオヘッドへ、記録時には信号を供給し再生時にはここから信号を取り出す部分。平監形のフェライトコアを向かい合わに配置してある。若干の伝達ロスがあるが、接触ノイズを出さず、信頼性にすぐれている。
★回転ドラム <V>
回転ヘッドを設け、テープを巻き付けて使用するための円筒状の部分。2層から3層構造のものがある。
★回転ヘッド <V>
固定ヘッドでは、オーディオ信号に比べて数百倍も広いビデオ信号を記録するためにはテープの消費量が多くなるので、そのために考えだされたテープとヘッドとの相対速度を高める技術。
1956年にアメリカのアンペックス社から発表された、4ヘッド方式VTRが史上初(俗にいう、2インチビデオ、1958年にはカラー化がおこなわれている)。
★回路 <他>
オーディオ装置は様々な回路で構成されている、たとえばアンプの場合は、電源回路、イコライザー回路、トーンコントロール回路、増幅回路、電力増幅回路等で構成されている。
実際の回路とは閉じたコースのことであるが、シーケンス回路のように開いた回路も存在する。
★重ね書き <A、V>
1.VHS EPモードや、βIIIモードなど、記録トラックよりも幅広ヘッドを用いる場合、最初書いたトラックの上に幾分重ねて書き込むこと。
2.VHSハイファイ方式で、オーディオ信号を書き込んだ後に映像信号を重ねて書き込むこと。
★カット <A、V>
1.映像を構成する最小単位。
2.編集時に要らない部分を取り去ること。
3.撮影や録音を打ち切る(終了)こと。
★カットイン <V>
いきなり、音や絵が入ること。
★カットバック <V>
二つ以上の別々のシーンが、順に行きつ戻りつ次々と変わること。別々の場所で同時進行している出来事を表現するのに向いているのでサスペンスものにこの手の手法が良く使われる。
★過渡特性 かととくせい <他>
入力に階段状(ステップ波形)やインパルスあるいはノコギリ波などの信号を加えたときに装置を経由して出力されるの信号の波形である。
波形の形は入力波形と出力波形が等しいほど装置の特性は優れているといえる。具体的には、出力信号の立ち上がりが遅く、立ち下がりも遅い装置は過渡特性が悪い装置である。
★ガードバンド <V、他>
1.ビデオなどで隣接トラックからのクロストークノイズ(ビート妨害)がないように、ある程度トラック間にすきまを空けて記録することがある。このすきまのことを指す。
2.周波数多重で書き込む場合、隣り合った信号を精度良く分離することはむずかしい。そこで、各周波数間に充分に空き領域を取って記録する場合がある。この空き領域をいう。
★カートリッジ <A>
カートリッジは一種の発電機と考えて良い。
20年以上前はクリスタルカートリッジやセラミックカートリッジの全盛時代であった。
カートリッジ本体や針も安く数百円という価格であった。 |
ムービングコイル型カートリッジ |
その後、マニアの間でMM型(ムービングマグネット型)やVM型(バーチカルマグネット型)、そしてMC型(ムービングコイル型)のカートリッジが人気を集め、一般ユーザーにも普及していった。
いずれのカートリッジもレコードの音溝をトレースする事により針先が動きその結果電気が起きる。MM型やVM型、MC型などはマグネットとコイルの原理を応用して発電している。
磁石を固定してコイルを動かして発電するのがMC型であり、コイルを固定して磁石を動かして発電するのがMM型である。
VM型もMM型の変形である。カートリッジの種類は他に、コンデンサー型、光電型、MI型(ムービングアイアン型)などがあった。
★かぶる <A>
低音が中高音にかぶって解像力を低下させる、と言う場合に「かぶる」という。低音が大き過ぎるとかダンピングが悪い場合あるいは低域にピークがある場合に、「かぶり現象」が起きやすくなる。
たとえば、質の悪いウーファーを使ったシステムや、2ウェイ、3ウェイのバランス不良などが「かぶり」の原因になりやすい。また、システムに問題はなくても、リスニングルーム(部屋)の影響やスピーカーの置き方によって「かぶり」が出てくる。
「かぶり現象」を防止する方法として、リスニングルーム(部屋)の反響を少なくするような工夫をしたり、ブロックなどを使ってスピーカーボックスを床から持ち上げるという手段やスピーカーボックス用のインシュレーターを使用するという方法がある。
★カラー信号 <V>
C信号とも言う。NTSC方式は白黒のTV信号(輝度信号)に色情報を乗せた方法を採っている。
この場合カラー信号は位相変調と言う方法で輝度信号に重ねて送られてくる。家庭用ビデオの場合、このカラー信号を取り出して周波数低域変換という方法で輝度信号と分けて記録している。
色の情報が乗っているため、これが狂うと色が変わってしまう。
★ガンマ酸化鉄磁性体 <他>
いわゆるノーマルポジションである。針状のガンマ酸化鉄粒子は自然界には存在しないので、塩化鉄あるいは硫酸鉄を原料として合成していく。
製鉄所の圧延工程で、鋼板を硫酸や塩酸で洗うときにできる硫酸鉄あるいは塩化鉄に、水酸化ナトリウムなどのアルカリを加え酸化反応でゲータイレイドと呼ばれる黄色の粒子を生成させ、さらに水素で還元しもう1度空気中で徐々に加熱、酸化し目的のガンマ酸化鉄磁性体をつくる。
粒子の大きさは、長さ0.4から0.5ミクロン。径は0.03から0.02ミクロン粒子全体の表面積30平方メートル。
★疑似ステレオ <A>
モノーラルのソースを高音を右(あるいは左)側のスピーカーから、低音を左(あるいは右)側のスピーカーから出力するようにフィルター等で分離しステレオの効果を得る方式。一時安価版のレコードでこの方式がとられた。
★キット <A>
未完成のパーツの集合であり、ユーザーが簡単に組み立てられるように構成されている。
★ギャップロス <A、V>
再生される周波数が高くなってくると、ヘッドギャップの兼ね合いから(ギャップ長に対して1/2の波長)再生電流が導かれなくなり出力0の点が必ず存在する。これは原理的なもので、なくすことはできない。
★キャビネット <A>
その名の如く、フォノモーターやトーンアームを取り付ける箱のことである。現在のCD/LDプレーヤーにも言えることだが、これが軽くて貧弱であれば、超低域でトーンアームといっしょにキャビネットまで振動する。
キャビネットが軽いと、音圧の影響をもろに受けて振動しやすくなりハウリングの原因の一つになる。
★キャプスタン <A、V>
ビデオやオーディオなどのテープを掛ける機器において、テープを駆動するための軸。主に、ピンチローラーと呼ばれるゴムローラーとの間にテープを挟んで、その摩擦力で駆動する。
★吸音材 <A>
吸音とは、音波を吸収してしまう事である。音波を吸収する材料を吸音材という。吸音材は音をはね返さない。
音波を受けると、吸音材自身が振動し急速に熱エネルギーに変換する“エネルギー変換器”でもある。
吸音材は、グラスウールが有名だが、綿、紙、発泡スチロール、カンナくず等いろいろある。吸音材は必ず遮音材の内側に張り付ける。
★Qo きゅーぜろ <A>
低域のダンピングの善し悪しを示すのがQoである。Qoは1以下でないと、ダンピングファクターが悪く、ボンボンと響くブーミーな音になりやすい。
Qoを低くするには、スピーカーユニットのマグネットを強く、コーンを軽く、エッジやダンパーをやわらかくするとよい。
foもQoも、スピーカーユニットをボックスに入れると上昇する。
★キュリーポイント <A、V>
温度を上げると、ある点で磁性を失う又は消去される特性のこと。温度係数。TRの場合は、高速でヘッドが通過するためにその発熱によって記録性能が落ちることがある。
キュリーの名は、ラジウムを見付けたキュリー夫人の夫、ピエールキュリーからとられた。
★虚音源 きょおんげん <A>
ステレオをモノラルで聞くと、左右のスピーカーの中央に、もう一つスピーカーがあり、そこからも音が出ているように錯覚する。これが虚音源である。
★虚音像 きょおんぞう <A>
音源と音像が一致しないのが虚音像である。ステレオやサラウンドで、スピーカーの無い場所にトランペットやドラムがあるように錯覚するのは虚音源による虚音像である。
★キレコミ <A>
解像力と同じ意味で使うが、もう少し狭い意味で、1つの音がハッキリしている場合にキレコミが良いという。
★金属的な音 <A>
いかにも金属を擦ったり叩いたり引っ張ったりしているような音を金属的な音と表現している。たとえばヴァイオリンの弦を針金で擦っているような感じの音である。
ボーカルは、トランペットスピーカーから出る音のようにキンキンと響く。ピアノとチェンバロの区別が付かない。
文章で表現するとそうゆう音である。そのような音が出るのは、ホーンスピーカーやドームスピーカーの振動板自体が鳴る場合である。金属で出来ているホーンは叩けばキーンと金属音がするのは誰でもが知っているが、このキーンという音が再生音に混入してはいけないのである。
その他に高調波歪が大きすぎると金属的な音になりやすい。
★緊張感のある音 <A>
張りつめた音である。音量は十分ゆとりがあり、周波数特性はフラットで歯切れも良い。CDやレコードの音を正確過ぎるくらいに再生するような音である。音楽性から言えば多少欠ける点も出てくる。
また、指向性などの問題で広がりが出ない場合やリスニングルームがデッド過ぎる場合もゆとりがなく、張りつめた神経で聴くような状態になる。
「ゆとりのある音」、「張りつめた音」は個々人の聴感上の好みであって善し悪しではない。
★クォリティ <A、V>
「質」の事。質が高い音のことを「クォリティの高い音」という。聴感上の質の高さと考える。すなわちクォリティが高いということは「良い音」という意味である。
★クシ形フィルター くしがたふぃるたー <V>
主にTVの回路で、輝度信号とカラー信号を周波数多重されてきた信号を分離するためのフィルター。
輝度信号からカラー信号をクシですくうように分離するのでこの名がある。
★暗い音 <A>
明るい音の逆で、歯切れが悪く、高域不足の重く鈍い感じの音を「暗い音」と呼んでいる。
歪が少ない音を暗い音と勘違いをすることがあるが、その訳は極端に歪の少ない音は聴感的にはあまり華やかさが感じられないからである。
★クラシック向きの音 <A>
クラシック向きと言えば、多種の楽器の音を聞き分けられるように再生する事が要求されるため非常に高級な装置の代名詞にもなりそうであるが実際はそうではない。
聴き方にもよるが、マイルドでソフトなウォームトーンで、立ち上がりが良ければ高音はそんなにのびていなくても良い。
低音は多少しまりが悪くても許される。しかし歪は少ない方がよい。実際の演奏会で聴く音は、概してふんわりとした穏やかな音であるからだ。
★クリアビジョン <V>
EDTVの愛称。 → EDTV
★クロストーク <他>
隣接トラックまたは、チャンネルからの信号洩れ。ノイズ発生の原因となる。
★コイル <他>
銅線を巻いたものをコイルという。空心のコイルもあるがコアなどに巻いている。巻き数は1回巻きから数千回も巻いたものまである。コイルはコンデンサーとは反対の性質を持っている。
コイルの巻き数が多くなるほど高い周波数の交流は通しにづらくなり巻き数が少ないほど通しやすくなる。別の言い方をすれば、コイルの巻き数が増えるほど抵抗は増えるし周波数が高くなるほど抵抗が増える。
この性質のことをインダクタンスと呼び単位は[H](ヘンリー)あるいは[mH](ミリヘンリー)であらわす。
この性質を利用してチューナーの同調回路や各種のトラップあるいはスピーカーのネットワークやトランスなどに使用されている。
★抗磁力 <A、V>
→ 保磁力
★硬調 <A>
硬調な音、あるいは硬い音というのは、コントラストが強く低音不足で中高音が強調された音の表現である。
そのような音には艶がなくニュアンスを欠きガラスを引っかくような鋭い音、荒削りで、いかにもスピーカーが鳴っているような機械的な音である。
★高品位TV こうひんいてぃーぶい <V>
現行TVより高性能なTVシステムを指すが、一般にハイビジョンを指すことが多い。従来のTVが低品位なのかといった論議が起こってハイビジョンというネーミングが制定された。
★交流 <他>
一般に商用電源(AC100V)のことを交流と呼んでいる。商用電源周波数50Hzあるいは60Hzで、その波形はサインカーブである。1サイクルの単位はHz(ヘルツ)である。
周波数というのは、1秒間に繰り返されるサイクル数のことである。このサイクル数が多くなるほど周波数が高く、少なくなるほど周波数は低く直流に近くなる。音波についても、サイクルとかヘルツの単位を使う。
交流をスピーカーに流せば、同じ周波数の音波が発生する。また、マイクから音波を入力すれば同じ周波数の交流電圧が発生する。
★腰の強い音 <A>
音楽の基本といえば、中低音の力強さ、しまりの良さを言うことが多い。ゆとりある低音が歯切れ良く再生でき、大出力を要求される場合でも決して崩れる事がないシステムの音を「腰の強い音」と表現する。
腰の弱いアンプの場合、低音のしまりがなく、ふぬけた音を出す。スピーカーの場合は、長年使い込んでコーン紙がやわらかくなり、エッジやダンパーも必要以上にフカフカになった状態を「スピーカーの腰が抜けた」という。
いずれにしても腰の弱い音というのは、ダンピングの悪い音である。
★コストパフォーマンス <他>
コスト(価格)対パフォーマンス(性能、機能、能力)の比。高価で低機能の製品はコストパフォーマンスが低く、廉価で高機能の製品はコストパフォーマンスが高いといえる。
AVの場合は価格と機能は比例すると考えて良いようだ。コストパフォーマンスは装置購入の際の最大のポイントである。
しかし、装置自体の進歩が激しいため現時点においてコストパフォーマンスが高くても数カ月後には著しく低下することも事実である。従って、コストパフォーマンスには明確な基準が無いといえる。
★ゴースト <V>
放送電波が家庭のアンテナに直接届く電波と、山やビル、飛行機、電車、自動車などに反射して、アンテナに僅かな時間遅れて届く電波とがある場合、TV画面に多重像が写る現象。
この多重像があたかも幽霊のように見えるので、ゴーストと呼ばれる(決してブラウン管に本物の幽霊が写るわけではない(^.^;)。
都市部でかなりひどくなりつつある。ラジオでも同様であるが、この場合はマルチパス妨害という。
★ゴーストクリーンチューナー <V>
現在放送されているTV電波には、ゴースト除去用の基準信号が含まれている。この基準信号を元に、反射波と逆相の信号を作りだし、ゴーストを打ち消すのがこのチューナである。その効果はかなりのものである。
ただし、定常的なゴーストにしか効かず、飛行機などが原因の揺れ動くゴーストには効かない。
★コバルト系酸化鉄 <他>
正式には、コバルト被着酸化鉄。二酸化クロムはアメリカデュポン社の特許の制約があったために、それに代わる磁性体として開発された。
コバルトイオン又はコバルトフェライト酸化鉄の表面に、ガンマ酸化鉄を被着させたものと、ガンマ酸化鉄の表面に、塩化コバルト塩を被着したものなど4種類ほど開発されている。
磁気特性は、二酸化クロムとほぼ同じ。現在カセットテープなどで、クロムポジション(CrO2、もしくはTYPE2)と呼ばれるテープはほとんどこのタイプである。
各種コンデンサー |
★コンデンサー <他>
蓄電器のことで電気を貯える部品である。基本的な構造は2枚の金属板の間に絶縁体をはさんだサンドイッチのような構造である。エネルギーを持った電子を大量に貯えることができる。
コンデンサーに貯えられる電子の数のことを容量という。コンデンサーは交流を通すが直流は通さないため、直流が混入した信号から交流信号成分のみを取り出すことができ、アンプなどの回路で信号の伝達に使われる。
またコンデンサーの容量が大きいほど低い周波数の交流を通し、小さいほど通しづらくなる。その性質を利用してハイパスフィルタ(HPF)やローパスフィルタ(LPF)などに使われる。
電源回路の平滑用としても重要な部品である。
★コンパクトディスク <A>
オランダのフィリップスと日本のソニーが共同開発し、1982年に登場したデジタルオーディオの規格。僅か数年で、従来のアナログレコードを駆逐してしまった。
直径12cm、厚さ1.2mmのポリカーボネート製の円盤に記録された信号を、レーザー光線を当てることによって間接的に読み取る。
最近はシングルCDと称する直径8cmのCDが登場した。非常にクリアな音質と、高域までフラットに伸びた周波数特性をもち、アナログレコードによくあったジリパチノイズがなく、片面75分、99曲まで録音でき、頭出しなど取り扱いが非常に容易であるなど、優れた点が多い。
アナログレコードと異なり、再生は最内周から行う。不用になったCDは、コースターとしても利用できる(^.^)。
★コンパクトディスクのエンファシス <A>
初期のCDソフトにも使われていたが現在ではほとんど使われていない。プリエンファシスの特性は以下の通り。
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(dB)|
10+ −−−−−−
| /
利 | /
得 | / (20dB/decode)
| /
| /
0+−−−−−−
|_______________________
↑ ↑ → f
50us 15us
★コンポジット信号 <V>
カラー信号、輝度信号および同期信号が、混ぜ合わされた状態で伝送される信号を指す。
LD、TV放送、通常のRCAピンプラグによる伝送、全てコンポジット信号である。→コンポーネント信号
★コンポーネント <A>
「組み合わせの」といった形容詞である。コンポーネント・ステレオとかオーディオ・コンポーネントあるいは単に「コンポ」と呼んでいる。
CDプレーヤー、チューナー、カセットデッキ、アンプ、スピーカーなどを組み合わせて(パーツを組み合わせて)作る組み合わせ型再生装置である。
昔は、一体型のステレオが主流であったが、現在はコンポーネントが主流になっている。組み合わせ方は、同一メーカーのパーツで揃える方法と各社バラバラのパーツで揃える方法がある。
★コンポーネント信号 <V>
カラー信号と輝度信号が分けられた状態で伝送される信号を指す。Sビデオ信号はコンポーネント信号である。色と輝度(明るさ)の情報が干渉しにくく、高画質のまま信号のやり取りをするのに有利な方法である。
ただし、これは最初からコンポーネント信号で記録されたメディアに限る。コンポジット信号を扱っている、TVチューナやLDなどからSビデオ信号を取り出しても、あまり意味がない。初心者のよく陥りやすい罠である。 → コンポジット信号
★コンポーネントステレオ <A>
各社の製品の特長を活かして組み合わせたシステム。たとえば、CDプレーヤーはDENON、チューナーは松下、カセットデッキはSONY、アンプはサンスイ、スピーカーはパイオニアという具合。
「バラコン」ともいう。通常「コンポ」という場合はこれのことである。
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My studio
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ノンリニア編集システム |
オーディオ編集システム |
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【サ行】 |
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★再生 <A、V>
記録時に電流や電圧などに変換された「音」や「映像」を人間が聴いたり見たりできるように再変換することである。要するに、プログラムソース(ソース)を「音」や「映像」にすることである。
★再生音源 さいせいおんげん <A>
スピーカーを再生音源と呼び、それ以外を源音源と呼ぶ。
★再生音像 さいせいおんぞう <A>
スピーカーにおいて、虚音像を再生音源による再生音像とも呼ぶ。それ以外は源音像である。
★再生音場 さいせいおんば <A>
スピーカーによって作り出される音場のことである。
★再生装置 さいせいそうち <A>
再生を行うための装置である。またはプログラムソース(ソース)を音や映像に変換するための装置と思って良い。
★最大残留磁束密度 さいだいざんりゅうじそくみつど <A、V>
飽和現象から磁界の強さを減少してゆくと、磁界の減り方は元の曲線をたどらずについには磁界の強さを0にしても磁化が残ってしまう。
その磁化の強さのこと。テープの性能によく使われる単位。省略形はBr、単位はガウスで表す。
★サイドバンド <他>
TVやFM波など信号波を伝送するとき、信号波と同じ帯域だけ搬送波に高周波が発生する、その帯域の幅。
★サウンド <A>
音という意味にも使うが「音響」のほうが説得力がある。サウンドトラックというのは、映写用フィルムの端に設けられた音声記録用のトラックである。
(映画音楽でサウンドトラック版というのは、この映写用フィルムのサウンドトラックに記録された音声や音楽をレコードやコンパクトディスク用に再編集を行なったものである。
次に、オリジナル・サウンドトラック版というのがあるが、これは映写用フィルムのサウンドトラックに記録された音ではなく、サウンドトラック用の音声や音楽ソースを直接、レコードやコンパクトディスク用に編集したものである。当然、オリジナル・サウンドトラック版のほうが音が良いが、映画の雰囲気を味わうには、サウンドトラック版のほうが良い。好みではあるが)
★サ行が強調される音 <A>
サ・シ・ス・セ・ソの発音時の子音が強調されて不自然に聴こえる音の事である。サ行の子音が強調されると歪よりも質が悪い。
原因は過渡特性の悪さであるため、歪が少なく、シャリつきが少ない装置でも、サ行が強調されることも有り得る。
★サブコード <A>
ディジタルオーディオには、音楽信号、エラー訂正信号の他にP,Q,R,S,T,U,Wと呼ばれるサブコードが記録してあり、そのうち曲の頭出し用にP,曲の時間データにQを使い,残りのR〜Wのコードは、CDグラフックスなどのデータに使わる。
1ブロック中に記録される8ビットのそれぞれにP〜Wが割り当てられ、1秒のブロックデータずべてがそろって初めて1つのサブコードデータとなる。
★サーボ <他>
テープ上やディスク上のトラックを、ヘッドやピックアップが正しく追従するために、モータの回転を制御する技術。
★サラウンド <A、AV>
前方だけでなく後方にもスピーカを配し、360度音声で包み込むようにすること。また、そういうシステム。ドルビーサラウンドは有名。
★残響現象 ざんきょうげんしょう <A>
全面コンクリートむきだしのサイコロのような部屋で、手を叩くとパーンという反響が広がる。
拍手そのものの音は持続時間が短く一瞬であるが、その音がコンクリートの室内で複雑に反射しあってなかなか消えない。
これを残響現象(エコー)という。リスニング・ルームの残響時間は0.1秒から0.3秒程度がよい。
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■残響現象の例
「鳴龍(写真左)」
日光東照宮、本地堂(薬師堂) (撮影禁止)
天井に書かれている龍の頭部の真下で、拍手をすると、鈴のような甲高い音が響き渡り、龍の鳴声のように聞こえます。 |
★CIRC <A>
Cross Interleave Reed Solomon Code
これもCDのカタログで見る記号である。突発的に発生する大きなエラー、バーストエラーに対して音楽情報を、絶対これに間違いないという程までに訂正するためのエラー訂正符号である。
音楽信号を一定の規則にしたがって、前後に分散して記録するインターリーブと、音楽信号32シンボルのなかに付加されている(1シンボル8bit)8個のコードで構成されるリードソロモンコードの2つのエラー訂正符号によって作られている符号。
★CRCC <A>
Cyclic Redundancy Check Code
CDのカタログのすみっこで見る記号であり誤り検出信号である。おもに、小刻みに発生するランダムエラー時のエラー訂正のための変調である。
音楽情報112bitに付加される16bitの誤り訂正ワードで、128bitを1つのブロックとして、記録し再生時のランダムエラー発生時のチェックに使う。
★CED しーいーでぃー <V>
アメリカのRCAが開発した針式接触型ビデオディスク(溝有り静電容量方式)。Capacitance Electronic Disc の略。
セレクタビジョンともいう。LPレコードと同じ直径30c mのディスクに、最大2時間の映像と音声を記録できる。ディスクにはレコードと同じようにV字型の案内構が螺旋状に刻まれていて、ダイアモンド針は案内構の中を滑りながら電極とディスク間の静電容量の変化を検出し再生する。
ディスクは安かったが、画質はLDに劣り、ランダムアクセスができないなど、ビデオディスクとしての欠点が多く、普及しなかった。現在RCAはCEDから撤退し、CED方式ビデオディスクは、自然消滅の運命にある。
★CLV <A、V>
Constant Liner Velocity
線速度一定の意。CDの場合は内周(約600rpm)から次第に回転数が少なくなり、再外周では約200rpmまで回転数を落として再生する。
★試作機 しさくき <A、V>
メーカー自身が手作りで研究用のために数台作る場合と、もう一つは主としてデモンストレーションのための量産試作で数十から数百台作る場合の2種類ある。雑誌社や評論家のところに回るのが量産試作されたものである。
試作機と市販機とではデザインや機能などに多少の違いがあることが多い。
★システムコンポーネント <A>
システム・ステレオでCDプレーヤー、アンプ、スピーカー等を同一メーカーの製品で組み合わせたシステムをシステムコンポーネント(シスコン)と呼ぶ。「ワン・ブランド・システム」ともいう。
★システムステレオ <A>
プレーヤー、アンプ、スピーカー等が独立している。4点セットとか6点セットという製品である。ミニコンポ(ミニコン)などがこれに当たる。同一メーカー製品で構成されており別売はしない。
★磁性粉 じせいふん <他>
磁力的(S/N)、電気的(+・−)な変化を貯える粉。これ単体で使用されることはなく、磁性粉、バインダーレジン、微量添加物を溶剤を用いて混合し、これを直接ベースフィルムに塗布して使用する。
1936年ドイツで現在の塗布型テープの元祖が開発され、その後、進歩・改良し現在にいたっている。
★ジッター <V>
時間軸変動を指す。家庭用VTRでは、テープ速度と回転ドラムの回転ムラで発生する画面の揺れ。画面が不安定になり、カラーノイズの原因にもなる。
家庭用ビデオではカラー信号系のジッターはほぼ押え込んでいるが、輝度信号系においてはほとんど手を付けていない。
従ってコンポジット信号でビデオ信号を取り出すとき、充分に輝度信号が伸びていると(3.58MH以上)カラー信号に混じってしまい、フリッカやノイズの原因となる(S−VHS、EDβ、Hi8のコンポジット信号は基本的にこの危険がある)。
★CD しーでぃー <A>
Compact Disc の略。 → コンパクトディスク
★CDV しーでぃーぶい <AV>
Compact Disc Videoの略。狭義では、CDと同等の12cmのディスクの内周に、20分間のデジタル音声のみが記録され、外周に5分間のLDとほぼ同等の映像+デジタル音声信号が記録されているディスクのことをいう(ちなみにアナログ音声は記録されていない)。
広義には、ディスク最内周にCDと同様なTOC情報をもち、デジタル音声の記録されたLDをも指す。ここらはソニーとフィリップス、パイオニアなどの思惑が絡み、非常に判りにくくなってしまった。
最近になって、音声のみの情報をもたず、映像のみ5分間記録された新規格が提唱された。
★CD4
しーでぃーふぉー <A>
2チャンネルステレオ方式と同等の音溝に、4チャンネル分の音声信号を記録したレコード盤。
もちろん「針式」。
前向左右+後方左右の4スピーカーで再生する。 |
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1970年代始めに登場したが、システムや針が高価なため、一部裕福層に普及したに留まった。
★遮音材 しゃおんざい <A>
遮音とは音波をはね返し内側にいれない事である。音波をはね返す材料を遮音材という。遮音材の条件は、隙間がなく空気を通さず、重くて硬く音圧でゆすぶられない材料であること。
要するに厚くて硬く重たい隙間の無い板である。具体的には、コンクリート、単板合板などの材木、ガラス、鉄板などである。
★ジャズやロック向きの音 <A>
まず圧倒的な音量が必要だ。衝撃音の完璧な再生、歯切れの良さ、生々しさもジャズやロックの生命であるから過渡特性が特に重要である。周波数特性もフラットであるのに越したことはないが、デコボコであっても実用上(聴感的に)問題でない。
その訳は、持続音が比較的少なく、絶えず大幅に変化する衝撃的な音が主であり、大合奏よりもソロあるいはソロに近い部分が多いから周波数特性のデコボコはあまり気にならないのである。歪に付いては、衝撃音が多いため多少あっても構わないが、トランペットのソロなどは歪が耳につきやすいからできるだけ少ない方が良い。
極端な話、ジャズやロック向きの音は、ガンガン鳴らして勇ましい衝撃音が十分出ればいいのだから、高音がシャリシャリした歪っぽい音、硬い音、滑らかさを欠いた音でも良いといえる。低音は100Hz位にピークがあって、それから下はスパッと切れているような装置でも間に合う。一般的にジャズやロック向きの音は、大音量で中高域が多少盛り上がり、音がよく前に出て、打楽器に強い装置の音と思えば良い。
★シャープ <A>
これも解像力やキレコミと同じ意味に使うが「鋭い音」という場合に使う。一方では高域にピークがあり、特性が異常に持ち上がっていたり”シャリシャリ”している音の場合もシャープだと言うように周波数特性や歪率などを問題にしないこともある。
一般的には前者のことを「シャープな音」と表現している。
★シャリつく音 <A>
文字通り、シャリシャリした音が出ることを「シャリつく音」という。更に高音域では、チリチリという音が出ることもある。
その原因は、高調波歪や混変調歪が多く過渡特性が悪いと、ソースには含まれていない筈の歪がスピーカーからでる事にある。
★周波数アロケーション しゅうはすうあろけーしょん <他>
周波数に対しての信号の割り当て。
★周波数インターリーブ しゅうはすういんたーりーぶ <他>
信号スペクトルの隙間に、別の信号スペクトルをはさみ込み帯域を節約する技術。
★周波数多重 しゅうはすうたじゅう <他>
一つの信号線に複数の信号を周波数を変えて重ねることにより伝送すること。家庭用ビデオは全て周波数多重方式を取ることによりなりたっている。
★周波数特性 しゅうはすうとくせい <他>
周波数特性とはアンプやCDプレーヤーなどの入力と出力の振幅の比を片対数グラフに描いたものである。
アンプやテープレコーダーなどには入力と出力がある。CDプレーヤーの入力はレーザーであり出力はDAコンバータによってアナログに変換された信号である。
アンプの入力はCDプレーヤーやチューナーなどの微小信号電圧であり、出力は数十から数百ワットのスピーカーを駆動できる電力である。周波数特性の測定は、低周波発振器と記録計を用いアンプなどに低い周波数から高い周波数までの入力を加えたときの入出力信号の振幅の比を測定する。
★蒸着テープ じょうちゃくてーぷ <他>
従来の塗布型テープのようなバインダーなどの介在物がなく、金属磁性薄膜とベースフィルムからできているために高密度記録に適している。
その名のとおりに磁性体を真空中で加熱し蒸着したテープ主成分にはコバルトを中心にニッケルなどが合金成分として用いられる。
磁性層はベースフィルムに対して垂直か斜めに形成され、角型比がよく飽和磁化は酸化鉄系テープの数倍になる。短波長記録ではメタルよりも出力が大きく、結晶粒が小さいためにノイズレベルが低い。
ただし、酸化、磁性体の剥がれ等、問題が多い。
★芯のある音 <A>
歯ごたえのある芯のある感じの音である。これも聴感によるものであるが、たとえばモニター用のシステムの音をライヴなリスニングルームで聴くと、柔らかさの中にも芯があるような感じになる。
ゆったりとしたソフトな聴きやすい音ではあるが、腰が抜けているような音ではなく、芯がある音に聴こえる。そうゆう音である。
★新Uローディング しんゆーろーでぃんぐ <V>
ベータには当初からUローディングが採用されているが、より薄型なデッキを実現するために、ヘッドドラムにテープを巻き付ける方向を、従来の左巻きから右巻きに変えたローディングシステム。
往年の名機 SONY ベータマックス SL2100 |
★垂直磁気記録 すいちょくじききろく <A、V>
薄膜面に磁化が垂直に立つ記録方式。テープ上に数ミクロンの単位で塗布された磁性粉の厚さ方向に磁化を行ない、記録密度を従来の方式に比べて飛躍的に高める記録方式。専用のヘッドおよび、磁性体を要する。
★垂直同期信号 すいちょくどうきしんごう <V>
テレビの画面一枚は、ラスターと呼ばれる水平に細長い線状の画素が集まって組み立てられているが、放送側で一枚の絵の終わりを知らせるものがないと受信側で元の映像を組み立てることが出来ない。
つまり、この信号によって一枚の画像の終わりを知るわけで、次々と送られて来る映像信号を正しく処理することによって動く画像が作り出されているわけである。
プリンターに於ける改頁コードのような物である。もし、この信号がないと画面の始まりと終わりが解らなくなり画像が上下方向に流れてしまう。
→ 水平同期信号
★水平同期信号 すいへいどうきしんごう <V>
テレビの画面はラスターと呼ばれる線状の画素が集まって組み立てられている。放送局からは、この線状の画素を次々と送って来るわけだが、ただ単に画素の情報を送るだけでは受信する側では、今送られてきた情報が一枚の絵の何処の部分の物なのかが全く解らない。
そこで、手がかりとなる信号を入れてやるわけだが、ラスター一本の終わりにここで一本分の画素が終わりましたよと云った意味の信号と、画像一枚の終わりにここで、一枚分の画像が終わりましたよと云った意味の信号との2種類有れば送った側の映像を比較的簡単に組み立てることが出来る。
この時の一本分の画素が終わりましたよ、といった意味を伝える信号を水平同期信号と呼ぶ。と、云うのはラスター一本は映像を水平方向に切り取った(走査した)情報からなっているためである。これによって、次のラスターの情報と区別することが出来る。プリンターに於ける改行コードのような物である。 → 垂直同期信号
★スイッチングノイズ <A、V>
VTRの場合回転2ヘッドで記録しているため、各ヘッドの切り替え時にノイズが生じる。これをスイッチングノイズという。
映像信号の場合は垂直ブランキングの部分にヘッドの切り替えポイントをもってくれば、画面にスイッチングの部分は写らないが、ハイファイ型VTRの場合、音声信号にはそのようなブランキングの部分が存在しないため、ヘッド切り替え時に発生するノイズが聴こえてしまう。
★スキュー <V>
ヘリカルスキャンビデオで、記録時と再生時のテープ張力が変わったときテープが長さ方向へ伸縮し、したがってビデオトラックの長さが変わりヘッド切り変え位置が画面に出て映像が不連続になり、画面上部で斜めにかしぐ現象。
★スクランブル回路 <A>
CDはステレオ信号を1本のトラックに記憶するために、再生時には当然ながらL/Rの2つの信号に分けなければならない。
スクランブル回路(デスクランブル)はそれを行なうところで、L信号が先に書き込まれているので、R信号はスイッチングし、各チャンネル交互に読み出している。
しかし、このままではR信号が135.6μsだけ遅れるので、再生時にはなんらかの方法でこれを補正しなければ、瞬間的とはいえ時間的な遅れが生じる。L/R独立のDAコンバータの場合はこの遅れは出てこない。
★スコーカー <A>
中音用のスピーカーユニットである。コーン型、ホーン型、ドーム型がある。コーン型の口径は10cmから20cm程度である。
★ステレオフォニック <A>
ステレオというのは「立体的な」「個体の」といった意味の接続語である。最低2チャンネル必要である。マイクを2本以上使用しそれぞれ分離して録音する。モノフォニックのように1本にまとめない。
モノーラルでは再生音像が1点に集中してしまい原音場とは異なってしまうが、ステレオフォニック(ステレオ)では再生音像が左右のスピーカーの中間にちらばり原音場に近い再生音場が得られる。
チャンネル数が多くなるほど再生音場が充実する。
一般的なステレオは2チャンネルであるが、最近ではドルビー方式多チャンネルステレオが流行している。
★ストライプピッチ <V>
トリニトロン方式カラーブラウン管そのものの、水平解像度を示すための目安となる数値。カラーブラウン管表面上のRGB(赤青緑)蛍光体のトリオを一組として水平方向に計ったもの。
主に画面中央部の最もピッチの細かい部分で表す。蛍光体の配置の仕方からシャドウマスク方式の方が、トリニトロン管方式よりドットピッチを小さくするのには有利。
但し、ピッチを細かくするほど色選別部での電子線の通過量が減るため、蛍光体の感度を上げたり、残光時間の長いものを使用して見かけ上の輝度を上げたり等工夫が必要である。この点では、輝度が稼げるトリニトロン管の方が有利である。
→ ドットピッチ、マスクピッチ
★スピーカーシステム <A>
スピーカーと言うのは、アンプから入力された電流の変化を音波の変化に変換するものである。一般的には何本かのスピーカーユニットを箱に取り付けたものをスピーカーシステムと呼んでいる。
スピーカーユニットとは裸のままのスピーカーの事である。
単にスピーカーと呼ぶ場合は、「スピーカーシステム」と「スピーカーユニット」の双方を指す。
★スピーカーシステムのセッティング <A>
スピーカーシステムは置き方で音が確実に変わる。しかし正しいセッティングを行っているユーザーは少ないようだ。
そこでセッティングの原則を述べる。
1.スピーカーシステムを置く床、台、棚などは頑丈である事。
2.スピーカーシステムの背後は硬く重く音を反射しやすい壁であり、スピーカーの正面は反射しにくい壁である事。左右の壁はその中間がよい。
3.スピーカーシステムの左右の間隔は、聴取位置と左右のスピーカーの中央を結んだときの角度で決める。45度から60度が最適である。要するに聴取位置からスピーカーの正面が見える位置がよい。
4.スピーカーシステムは左右の壁にピッタリつけない事。どうしても壁につける場合は内側に向ける。
5.スピーカーシステムの高さは、リスナーの頭の高さとスピーカーシステムの上面の高さを揃えるのが原則である。それが不可能な場合は、聴取位置からスピーカーの正面が見えるように角度を調節する。
6.サイドボードや棚の上に置く場合は、スピーカーシステムをじかに置かず、厚手のフェルトを挟むかゴム足を使う。
★スピーカー・バッフル <A>
バッフルとは、音を遮るという意味の総称である。スピーカーボックス、スピーカーキャビネット、エンクロージャーなどである。
その必要性をざっくばらんに言うと、スピーカーは前からプラスの音、後ろからマイナスの音が出ている。これを混合させるとプラスの音とマイナスの音とが打ち消しあって良い音にならない。
特に位相のづれが少ない低域ほど影響が大きくなる。スピーカーユニット(裸のスピーカー)をスピーカーボックスに取り付けたものをスピーカーシステムと呼んでいる。
★スピーカーボックスの共振 <A>
スピーカーボックスには、密閉型、バスレフ型、ドロンコーン型などがあり、スピーカーをボックスに取り付けると様々な共振が出てくる。
1つめはユニットのfoが変化する。その理由はスピーカーボックスの中の空気がスプリングとして働くからである。ユニットのfoは、主としてコーンの重さとエッジ、ダンパーのスプリング効果で決まるが、ボックスに取り付けると空気によるスプリング効果でfoがどんどん上昇する。
このスプリング効果は内容積が小さいほど強くなるため大口径のスピーカーユニットを小さいボックスに取り付けて使用するとfoが極端に上がってしまい本来の再生能力を十分に発揮できないことになる。
密閉型のスピーカーボックスの場合は、空気はコーンと箱を繋ぐスプリングとして働いている。そこでfoが決まり、fo以下の低音は出難くなる。
ドロンコーン型のスピーカーボックスの場合は、スピーカーユニットの他に、ボイスコイルとマグネットを取り外したユニットがついている。
このドロンコーンとスピーカーユニットが空気を介して繋がれている状態と思って良い。低い周波数においては、スピーカーユニットとドロンコーンが一体となって動く。低域においてはスピーカーユニットの振幅の倍の低音がでる。
バスレフ型のスピーカーボックスの場合は、ダクトの中の空気がドロンコーンの代役をつとめている。一般には、ダクトの大きさを適当に考えて、ユニットの振幅の倍の低音ではなく、1.7倍とか1.5倍の低音が出るように設計することが多い。
以上のように、スピーカーユニットは同じであっても、ボックス自体にいろいろな共振があって再生周波数や音質に影響を与えるのである。
★スピーカーユニット <A>
(コーン型スピーカーユニット)
コーンとは円錐のことである。振動板の形が円錐型なのでコーン型スピーカーユニットと呼んでいる。
現在市販されているスピーカーシステムの大部分はコーン型スピーカーユニットを採用している。特にウーファーやフルレンジのスピーカーユニットはこのタイプである。
コーンが前後に動けばドラムの皮と同じように音が出る。スピーカーユニットはマグネットとコイルにより、コーンを電流の変化に応じて動かす。
(ドーム型スピーカーユニット)
コーンが無く、センターキャップだけのスピーカーでありその名の如くドームのような形をしている。
高音用のスピーカーユニット(ツィーター)である。
(ホーン型スピーカーユニット)
ホーン型はラッパのような形をしており、面積の小さい振動板を前後に動かす。この振動がホーンを伝わって出てくると大きな音になる。
その仕掛は、ホーンの中の空気が変圧器のような働きをしていると考えてもよい。ホーンの中の空気が振動板(ラジエーター)の動きに対して抵抗を示す。ホーン型スピーカーユニットは、中高音用に使用されている。
★スピーカーユニットの共振 <A>
スピーカーは共振の集合体である。スピーカーユニットの断面を見ると、コーンはエッジとダンパーで宙づりにされていることが解る。エッジとダンパーの一端はフレームに固定されているので、結果的にはコーンはフレームに吊ってあることになる。
原理的には釣り鐘や振り子と同じ様なものである。しかし、スピーカーのコーンは非常に軽いためfoは20〜100Hzと高くなる。ふつう、fo以下の低音は再生できないといわれている。
その訳は、スピーカーの音はコーンの直径に左右される。口径が小さいと低音は出難くなる。スピーカーの周波数特性はfoが高い小口径のスピーカーとfoが低い大口径のスピーカーとでは低域の落ち方が変わる。当然、foが低い大口径のスピーカーほど低域の再生に有利である。
★スペーシングロス <A、V>
ヘッドとテープの間にあるコンマ数ミクロン程度の隙間。これによって高域出力が減少する。
★3ウェイ・3スピーカーシステム <A>
現在、マニアの間で最も多く使用されているシステムである。ウーファー、スコーカー、トゥイーターの3本のスピーカーで構成されている。
バランス良く調整されたシステムは周波数特性、過渡特性、指向性などで最も優れた特性が得られる。
★3ウェイ・マルチスピーカーシステム <A>
原理は、1ウェイ・マルチスピーカーシステムと同様であるが、主として許容入力の増大と指向性の改善を計ったシステムである。各スピーカーのバランスが難しいため現在は姿を消した。
★整合器 せいごうき <他>
同軸ケーブル(75Ω)と平行フィーダ(300Ω)とのインピーダンス及びモードの変更を行なうもの。通常、特性インピーダンス150Ωの線路2組を用いて、一方の端を並列に接続して75Ω端子とし、他方を直列にして300Ω端子として使う。
★SECAM せかむ <V>
フランスで開発されたカラーTV方式。Se'quentiel Couleur'a Memoire の略。色副搬送波にFM変調を使っている唯一の方式である。
しかし、このために周波数インターリーブが行なえないためにNTSC、PALに比べてモノクロTVとの両立の点で劣っている。
この方式もPAL同様、1Hディレイラインが必要なためTVの価格がやや高くなるのが難点。主に水平走査線625本、1秒間50フィールド25フレーム。
★セパレートステレオ <A>
プレーヤー、アンプ等を収納したセンターボックスと左右に据置型スピーカーボックスを配置する3点構成で20年以上前に流行したステレオである。スピーカーの位置を自由に変えれるため定位をコントロールすることが可能である。
★センダストヘッド <A、V>
シリコン20%、アルミニウム5%を含む鉄合金でできているヘッド。磁気特性に優れるが、耐磨耗性に劣るなどの理由からVTRヘッドには疑問視されてきたが、改良により現在では、メタルテープへの記録用として8mmビデオやEDベータなどで使われている。
1932年、仙台の東北大学金属材料研究所で発見されたために、センダストと命名された。商品化はパイオニアが初。
★総合アンプ そうごうあんぷ <A>
レシーバーとも言う。10年ほど前までは全盛であった。チューナーとプリメインアンプをまとめたシステムである。
コストパフォーマンス的には良いが、内容的に半端なものが多くオーディオマニアには受け入れられなかった。
★相対速度 そうたいそくど <V>
回転ヘッドを用いて記録している場合の、テープとヘッドとの速度の差。
★側波帯 そくはたい <他>
→ サイドバンド
★ソノ <A>
これも「音の」という意味である。ソノシートのソノ、ソナー(水中聴音機)、ソニー(メーカー名)も語源はソノである。
★ソフト <A>
硬い音の反対で、軟調な音、やわらかい音である。低音が豊かで高音不足の音でありダンピングが悪く締まりがない音である。
シャープな感じがしないため、ピアノ等の立ち上がりが鈍って聴こえる。しかし、うるおいがあり甘く聴きやすい音でもある。
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【タ行】 |
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★ダブルアジマスヘッド <V>
回転2ヘッドアジマス記録方式によるべた書きを行っている家庭用ビデオでは、静止画を表示しようとするとブレたりノイズが出る。
これを防ぐために、お互い逆のヘッドギャップを持つヘッドをペアにして取り付け、静止画のブレやノイズを防ぐヘッドのこと。 → べた書き、ヘッドギャップ
★ダンパー <A、V>
不必要な振動を抑制する材料である。LPレコードのカートリッジにもスピーカーにもダンパーは使われており音質に重大な影響を持っている。
スピーカーのキャビネットの中に吸音材が張り付けられているのも、板の鳴りを止めるダンパーと考える事ができる。
★ダンピング <A、V>
オーディオでのダンピングとは、「抑制する」の意味のDAMPである。ダンピングが良いというのは、「制動がよく効いている」ということである。
スピーカーの場合、アンプからの入力信号が切れると同時にコーンの振動がピタリと止まるのがダンピングが良く、しばらく振動を続けるのはダンピングが悪いスピーカーなのである。
★地上波 ちじょうは <V>
衛星放送に対して一般の放送を呼び分けるときにあえて地上波と称することがある。
★ダイナミックレンジ <A>
微小音から最大音までの幅。この数値が大きいほどピアニシモはノイズに埋もれることなく、フォルテシモは歪むことなく再生できる。
★タイムベースコレクタ <V>
ビデオに存在するジッターを吸収し、標準信号にして送り出すための装置。
放送用のビデオの画質がよいのは、正にこの装置の性能が優れているためでもある。簡易システムが、家庭用ビデオやLDなどに搭載されるようになってきた。ただし、マクロビジョンとの絡みで家庭用VHSには完全な動作をするものは搭載されない(搭載すると、コピーガードとしての役割を果たさなくなり、コピーし放題となる)。
★卓上型ステレオ たくじょうがたすてれお <A>
ローコストのモジュラーステレオの1種で、その名の通り卓上やサイドボードの上に置いて使うことを目的に小型化されたシステムである。
現在のCDラジカセと思って良い。
卓上型ステレオ |
★チャンネル <A>
モノーラルの信号を伝達できる電気系統のことをチャンネルという。モノーラルは1チャンネルでよいが、ステレオはモノーラルが最低2チャンネル必要である。
★チューナー <A、V>
受信した高周波電圧を(TVなど)を増幅し、中間周波数に変換する部分。
★2ウェイ・2スピーカーシステム <A>
ウーファーとトゥイーターを各1本で構成したシステムである。
クロスオーバー周波数は、ウーファーが16cm程度の小口径の場合は3〜8KHzと高く、30cmの大口径の場合は500〜2KHz位にセッティングしてある。
ミニコンポとして市販されているスピーカーシステムはこの方式が多い。
最も標準的な構成であり調整もしやすいため多くのメーカーが採用している。音質は誰でも聴きやすいのが特長である。
★2ウェイ・マルチスピーカーシステム <A>
1ウェイ・マルチスピーカーと同じ原理である
使用するスピーカーはフルレンジ型ではなく、2ウェイのスピーカーユニットを2本使用したシステムである。
現在は殆ど見られなくなったが、10年ほど前はパイオニアから発売されていた。周波数特性および指向性の改善が目的であった。
★2ウェイ・1スピーカーシステム <A>
トゥイーターをウーファーのコーンの中に組み込み2ウェイ化したコアキシャル型のスピーカーユニットを1本使用したスピーカーシステムである。
タンノイのシステムが有名である。外見上は1本のスピーカーであるが、実質的には2スピーカーと同様である。
周波数特性が優れ癖の無い音を再生できる。
★2ヘッドと3ヘッド <A>
基本的にヘッドには、録音用ヘッド(R)、再生用ヘッド(P)、消去用ヘッド(E)の3種類のヘッドがある。実際には、録音再生ヘッド(R・P)と消去ヘッドで構成された2ヘッドのテープレコーダーも多数使用されている。特にラジカセでは2ヘッド構成が主流である。
マニアの多くは基本的な3ヘッド方式のテープレコーダーを使用している。その最大の理由は同時モニターが可能な点にある。録音と同時に再生音が確認できるため、録音レベルやバイアス電流などの調整が可能である。2ヘッド方式によくやる「録音に失敗した」と後悔する事もないのである。
★定位 ていい <A>
再生音像の位置の問題である。録音の際に計画した通りの音像が定位置に出現して、ふらつかないものほど定位が良い。
★低音、中音、高音 ていおん、ちゅうおん、こうおん <A>
一般には、人間の可聴周波数20Hz〜20KHzの全音域を半分に分け、1KHz以下が低音、1KHz以上を高音と呼んでいる。
アンプのトーンコントロールも大体これに従っている。
3ウェイのスピーカーシステムでは、可聴周波数を3つに分け200Hz以下が低音領域、200〜2KHzが中音領域、2KHz以上が高音領域になるように設計する場合が多い。しかし国際規格があるわけではないので、300Hz〜3KHzを中音領域に設計したとしても一向にかまわない。
また、人間の耳に音として実感として聴こえる周波数は40Hz〜10KHz程度である。その範囲外は音としては感じられない。
たとえば、20Hzや30Hzのような超低音は、気圧の変化にしか感じられないのである。10KHz以上の超高音も、方向感の無い耳障りに近い音としか感じられない。
★DAコンバータ でぃーえーこんばーた <A、V>
その名の通りに、デジタル信号をアナログ信号に変換する回路。CDプレイヤーやLDのデジタル音声の再生時に使われる。
★定在波 ていざいは <A>
音波の波長が壁の間隔と一致したとき、または数分の1になったとき定在波が発生する。
部屋の壁と壁の間隔が340cmであれば、定在波の波長も340cmになり周波数では100Hzである。定在波が強く発生するような部屋で音楽を再生しながら室内を歩くと、場所によって低音が小さく聴こえたり急に強くなったりする。しかし、定在波は条件がそろわなければ発生しないからそれほど心配する事はない。
★D2 でぃーつー <V>
デジタル記録方式放送用ビデオの一つ。
他にD1という規格があるが、コンポーネント信号を採用しているため、現在の放送局ではすぐに対応できない。そこで、コンポジット信号を扱うD2が規格化された。
D2ならば、1インチビデオとの置き換えがすぐにでき、今までの機材を無駄にすることはない。ただし、画質的にはD1よりも劣る。
★TBC てぃーびーしー <V>
タイムベースコレクタの略。 → タイムベースコレクタ
★D1 でぃーわん <V>
放送用1インチフォーマットに取って代わるべく規格化された、放送用デジタルビデオ。別名4:2:2(フォートゥートゥーと発音する)とも呼ばれる。コンポーネント信号方式を採用し、デジタル音声をもつ。
オープンリール方式の1インチに対し、3/4インチのカセットを用いる。
★デジタルアウト <A>
CDやLD、DATなどでデジタル信号をそのまま出力すること。
また、そのための端子。従来からのコアキシャルによる同軸端子と、最近は光出力が装備されるようになってきた。
コアキシャルと光はそれぞれ一長一短があり、好みの問題である。
★デジタルフィルタ <A>
通常D/A変換後、生じる高域のノイズを取り去るのに用いられている。アナログで行うフィルタをデジタルに置き換えたもの。
デジタルフィルタでは原理的にノイズの除去はできないので、後段にアナログによるフィルタが必要である。
★dB(デシベル) でしべる <A、V>
人間の耳は電力が2倍になっても2倍になったようには感じない。10倍になってやっと2倍くらいの感じ方になる。
そこで、人間の耳にマッチさせるために増幅度を対数(log)で表すその単位。単位をベル(B)とするが、一般に1/10のデシをつかってデシベルと書く。
★テープパターン <V>
テープの使用効率をあげるために、様々なヘッド走査が考えられ、その走査方式によって決まるテープ上の記録トラックの模様。
テープレコーダー TEAC A-6300(オープンリール型)
40年ほど前の機種ですが、まだまだ現役です。 |
★テープレコーダー <A>
テープレコーダーは誰でも知っていると思う。
10年以上以前はオープンリール・テープレコーダーの全盛時代であったが、現在は、カセット・テープレコーダーが主流である。それぞれ構造は異なるが録音再生の原理は同じである。
レコードの場合は、音波を溝のジグザグとして記録する。その溝のことを音溝と呼ぶ。テープの場合は、音波を磁気の強弱で記録する。
金属の中には磁気を通しやすいものと通しにくいものがある。永久磁石は磁気を通しにくい金属で出来ている。
磁気を通しにくい材料であるから両端がNとSに磁化される。磁気をよく通す材料の場合は磁化されず永久磁石にならない。録音テープは、ポリエステルやアセテート等の薄いテープに、磁気を通しにくい磁性材料で作った超微粒子末がムラなく塗り付けてある。
その録音テープを録音ヘッドで磁化させる事により音声を記録する。一度録音された音声は、強制的に消去しない限り永久に残る。つまりテープが永久磁石のようになる。現実的にはいつかは自然消滅する。
★テープレコーダーのアンプ <A>
テープレコーダーのアンプは特殊である。レコードのイコラーザーアンプと同様に、高域を増強して録音し、低域を増強して再生する。
その訳は、磁気(テープ)とコイル(ヘッド)の関係にある。コイルに電圧が発生するのは、コイルの中を通過する磁気が変化したときである。磁気の強さや方向が一定であると電圧は発生しない。
低音は周波数が低いため、磁気の変化がゆっくりしておりコイルに発生する電圧も低い。高音は周波数が高いため、磁気の変化が速くコイルに発生する電圧も高い。さらにテープやヘッドの欠陥である高域のロスも問題である。
実際のテープの再生周波数は、山型のようになっている。従って、フラットに録音再生を行うと中域だけが増強されてしまうため、テープの場合もイコライザーアンプにより低域と高域を増強しなければならない。
具体的には録音用アンプで高域を増強して録音し、再生用アンプで低域を増強するという方法が取られている。
★テープレコーダーのメカニズム <A>
テープレコーダーのメカニズムは、テープを一定速度で(4.75cm/s)走行させ、モーターなどの振動がヘッドに伝わらないように配慮されており、録音テープを正確にヘッドに密着させることが重要である。
高級機の場合はモーターはリールモーターが2個、キャプスタンモーターが1個、その他コントロール用モーターなど数個のモーターを使用している。
1モーターの場合は、1台のモーターで、キャプスタンやリールなどを回さなければならないため、ベルトやアイドラーを多用する事になり不安定な要素が多くなる。
ベルトやアイドラーは、モーターの耐用年数に比べると極めて短い。
★電気 でんき <A、V>
オーディオ機器などのエネルギーとなっている電気について簡単に説明する。電気を細かく分けると電子の集まりという事になる。
物理学で厳密にいえば、必ずしもそうではないのだが実用上は問題はない。電子は無限小と言っていいくらい小さく重さもゼロと考えて良い。電流は電子の流れであり電流の大小とは流れる電子の数である。
電圧は個々の電子が持っているエネルギーのこと。電力は電圧と電流の積(電流×電圧)で単位はワット[W]で表す。
たとえばAという装置で、電圧が10Vのとき電流が2A流れたとすると
10×2=20[W]
すなわち消費電力は20W(ワット)である。
次にBという装置で、電圧が2Vのときに電流が10A流れたとすると
2×10=20[W]
この場合も消費電力は20W(ワット)である。
つまり電圧が高くて電流が少ない場合と、電圧が低くて電流が多い場合とは 消費電力は同じである。交流の場合は[VA]で表示されている。
★電気抵抗 でんきていこう <A、V>
銅線のように抵抗値の小さいなものを「導体」と呼び、陶磁器などのように抵抗値が特に大きなものを「絶縁体」と呼ぶ。
また、ダイオードのように極性により「導体」になったり「絶縁体」になる特殊な性質を持つものを「半導体」と呼んでいる。導体、特に銅線は電気抵抗が小さいためどんどん電流を流してしまう。
それに対し、陶磁器、石、プラスチックなどの絶縁体は電気抵抗が極めて大きいため殆ど電流は流れない。また電子のエネルギーである電圧がなければ電流は流れない。電気抵抗のあるものの中を電流が流れると、電子は少しずつエネルギーを失い最終的にはゼロになる。導体であっても多少の電気抵抗を持っている。銅線の場合でも細いほど電気抵抗が大きくなる。
ビニールコードのように細い線を数十本よりあわせて束にすると電気抵抗は小さくなる。これは、水を流すときに太いホースと細いホースとでは流れ方が違うのと同じである。
もちろん細いホースのほうが抵抗が大きい。抵抗値を示すのに、Ω(オーム)という単位を使用する。1000Ωを1KΩ(1キロオーム)、1000KΩを1MΩ(1メガオーム)と呼ぶ。
★電源 でんげん <A、V>
電子にエネルギーを与える装置であるが、一般的には家庭用のコンセントを電源とも呼び、あるいはAC(交流)をDC(直流)に変換する回路を電源、もしくは電源回路と呼んでいる。実際の電源とは、別の形のエネルギーを電気に変換する設備または装置の事である。
例えば、水力や火力あるいは原子力を電力に変換する設備。ニッカド電池や乾電池、太陽電池などが本当の意味の電源である。
★転写 てんしゃ <他>
巻いたテープの層間で、音が隣のテープに移る現象。
特にコバルト系酸化鉄磁性体に起こりやすく、通常の温度でもコバルトイオンが粒子間を移動するために起こる。現在では、磁性体がかなり改良されておりほとんど心配ない。アフターエコーとも言う。
オープンリールテープ |
★トゥイーター <A>
高音用のスピーカーユニットである。ホーン型、ドーム型、コーン型、リボン型がある。スコーカーをそのまま小さくしたユニットと思って良い。
約1KHzから20KHzという周波数を再生しなければならない。したがって毎秒数千から数万回という超高速で振動させるため、軽くて小さな振動板が有利である。
当然ホーン型が有利であるが、中低音にコーン型を使用した場合は音のつながりが悪化する恐れもある。
★同期信号 どうきしんごう <他>
周波数だけでなく、位相も合わせるために伝送される信号。
TV画面では位相があわなければ黒線が画面に出て映像が2つに別れる。
★TOC とっく <A>
Table Of Contents
CDの最内周に記録されており、一枚のディスクに記録されている最初のトラックNo.、最後のトラックNo.、各曲の始まりの時間、終わりの時間等が記録されている。
CDプレーヤーはこの情報を読み出すことにより再生されるディスクの曲数や時間を知ることができる。
★ドットピッチ <V>
シャドウマスク方式カラーブラウン管そのものの、水平解像度を示すための目安となる数値。カラーブラウン管表面上のRGB(赤緑青)蛍光体のトリオを一組として水平方向に計ったもの。
主に画面中央部の最もピッチの細かい部分で表す。蛍光体の配置の仕方からシャドウマスク方式の方が、トリニトロン管方式よりドットピッチを小さくするのには有利。
但し、ピッチを細かくするほど色選別部での電子線の通過量が減るため、蛍光体の感度を上げたり、残光時間の長いものを使用して見かけ上の輝度を上げたり等工夫が必要である。
ハイビジョン用のブラウン管が暗いのは主にこの辺に理由がある。 → ストライプピッチ、マスクピッチ
★ドーミング <V>
カラーテレビブラウン管に於ける現象。画面のほとんどが白など、非常に明るい場面がしばらく続くと、大量の電子線が蛍光体まで届く為、その途中にある色選別用のマスクが熱膨張してしまい蛍光体との間で位置ずれを起こすこと。
見た目の現象としては、色ずれとなって現れるため、真っ白なのにやや色がついた白になってしまうといった事が起こる。暗い場面がしばらく続けば戻るのだが、この現象はシャドウマスク方式ブラウン管に、如実に現れる。
この点、トリニトロン管でも色選別用のアパーチャーグリルが熱膨張を起こすが、すだれ状の構造を利用して上下方向に引っ張って有るので、この影響が全くでない。
画面の内容でモニター特性が変わらないため、放送局ではトリニトロン管方式が多用されている。 → トリニトロン管
懐かしい8トラックテープデッキ |
★トラックとチャンネル <A>
テープの幅、全部使って録音する方法をフルトラックという。1本のテープを上下に2分割して往復録音する方式をダブルトラック、4分割であれば4トラック、8分割であれば8トラックである。
つまり、テープを独立に録音再生できる状態に分けることをトラックという。それでは、チャンネルとはなにかというと、同時に使うトラックのことをチャンネルという。
モノーラルは1チャンネル、ステレオは2チャンネル、4チャンネルステレオは4チャンネルである。
フルトラックは1チャンネル、ダブルトラックは往復で使えば1チャンネルであるが片道で使えば2チャンネルである。
4トラックは、1チャンネルにも、2チャンネルにも4チャンネルにも使用できる。一般に市販されているカセットテープレコーダーは4トラック2チャンネルである。
★トリニトロン管 <V>
世界で唯一、ソニーが作っていたカラーテレビ用ブラウン管。
他社は全て、RCAが開発したシャドウマスク方式ブラウン管を使用している(除、液晶TV)。
シャドウマスク方式のブラウン管が、全て球の一面を切り取った形であるのに対し、トリニトロン管は円筒の一部を切り取ったような形をしている。
シャドウマスク方式が、色の三原色(赤、青、緑)を表現するのに3ガン3ビーム方式を取っているのに対し、トリニトロン方式では1ガン3ビーム方式を用いている。
つまり、電子線を発射するための電子銃が1本ですみ、そのため電子ビームを絞りこむための電子レンズも1つですむ。
また、レンズは大口径なほど、また中心ほど収差が少ないという性質を持つため、大口径で中央部を利用できるトリニトロン方式は、シャドウマスク方式に比較して優れているということができる。
色選別用に用いているアパーチャグリルであるが、すだれ状であり、シャドウマスクのような横方向の補強がないために、電子ビームの利用率が高く、同じビーム量でもシャドウマスク方式より明るい画面にすることができる。
裏返せば同じ明るさならば、ビーム量が少なくてすむということであり、これはとりもなおさず電子ビームをよりシャープに絞りこむことができるということである(電子線はマイナスに帯電しているため、お互い反発して広がる傾向がある)。
結局のところ、シャドウマスク方式より「明るく、色ずれがおきにくく、シャープな」映像を実現できる。
→ アパーチャグリル、シャドウマスク、電子銃
★ドルビー <A、AV>
1.アメリカ/マサチューセッツ工科大(MIT)のドルビー研究所。またはその商標。
2.カセットデッキなどで採用されているノイズリダクション。業務用のAタイプ、それを簡易化したBタイプ、そして、Bタイプを二段がけにし、高域での飽和の改善を図ったCタイプがある。
3.ドルビーステレオの略。劇場でのサラウンドを実現するべく開発された。前方3ch、後方1chの4chサラウンドだが、これを2chのトラックに記録しているのが特徴。再生時は専用デコーダで4ch信号を取り出す。デコーダがない劇場では通常の2chとして再生できるという長所をもつ。
4.ドルビーサラウンドの略。劇場用映画のビデオソフトなどはドルビーステレオによるサラウンド情報をそのまま含んでいる。そこでこの信号を取り出し、家庭でも同様なサラウンドが楽しめるように開発されたのがドルビーサラウンドである。
★ドロップアウト <A、V>
テープ表面の傷、磁性層内の異物、磁性粉の集塊、ゴミの付着などによって再生信号レベルが瞬間的に一定レベル以下になっときに発生する復調後のノイズ。
★トーン <A>
これは、音というより「音色」である。トーンコントロールのトーンである。音調という意味でもある。
★トーンアーム <A>
カートリッジを支えてレコードの音溝を正確にトレースさせるための装置である。ようするに、カートリッジを取り付けて適当な針圧でレコード盤に押しつける一種の「棒」である。
トーンアームは、針先チップに与えられる極めて僅かな振動を検出できるように、十分に軽く作らなければならないが、軽すぎてもいけないのである。
本来、1つのカートリッジに対応するトーンアームはインテグレートアーム(一体型)である。一般に使われている、ユニバーサルアームは実用上問題はないとして妥協したものでありカートリッジの性能を十分に発揮することは望めない。
78回転SPレコードと、「鋼鉄針」で音を出すトーンアーム(ピックアップ)
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【ナ行】 |
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★長手記録 ながてきろく <A、V>
磁界の方向が、テープの長さ方向(面内)にある磁化。現在のカセット、VTRの主流の記録方式。通常のリング型ヘッドによって記録する。
面内磁化。
★鳴き合わせ なきあわせ <A>
2つ以上の装置を並べて切り替えながら試聴することを鳴き合わせという。特に瞬間的に切り替えて比較する方法が取られている。
それは音の違いが良く解るということだそうだ。しかし、音の違いが解っても瞬間的な切り替えでは、音の善し悪しはよく解らない。
これは感覚の慣れの問題である。たとえば、車を運転していてトンネルに入った瞬間は非常に暗く感じるが次第に目が慣れてくるのに似ている。音の場合も同じであって、切り替えた瞬間は何がなんだか解らなくなるのが普通である。従って、音の鳴き合わせは、1機種づつ十分に時間をかけて行わなければ正確な評価はできない。
★ナチュラルな音 <A>
機械的な音ではなく、自然な音で誰でも抵抗なしに聞けるという音の表現をナチュラルな音と呼んでいる。高忠実度である必要もない。聴きやすい音であればナチュラルな音である。
★二酸化クロム にさんかくろむ <他>
磁性粉の1種類。二酸化クロム(CrO2)にすず、アンチモン、テルルなどを添加して保磁力を増加させると共に、温度安定性を改善して使用されている。
針状比が高く、粒度分布がよいためバインダーへの分散性、磁界配向性がよい。1931年アメリカのデュポン社が開発。画期的な高性能テープであったが、量産性、コストなどの問題で現在ではほとんど使われていない。
★にじみ <A>
本来の音から、モヤモヤとしたものがシミ出てきて他の音に混ざり込む状態を言う。シンバルの強打のような音は、にじみやすい音である。
★ヌケがよい <A>
1音1音がハッキリと区別でき、更にその1音が澄みきった音である事。単にキレコミが良い音をヌケが良いと言う場合もある。
★ノイキャン <A、V>
ノイズキャンセラの略。 → ノイズキャンセラ
★ノイズが耳につく音 <A>
特にレコードの”チリチリ”という「スクラッチノイズ」等は、初めから存在するからシステムによってノイズだけが強調されるという事はない筈であるが現実には有るのだから不思議だ。
その秘密は、やはり過渡特性である。レコード等のソース自体は連続した波形で出てくるのであって過渡特性が多少悪くてもそれほど悪影響はない。
ところが、ノイズの場合はほとんどが、極めて短い波形であるため、特にスクラッチノイズはカートリッジ、アンプ、スピーカーの過渡特性が悪いと、そのノイズ音がすぐに収まらず耳障りな音となって残る。レコードが廃れた原因はこういう所にもあるのだ。
★ノイズキャンセラ <A、V>
再生時、信号に乗ってしまったノイズを除去する装置。時として微小な信号をも除去してしまうため、使い方がむずかしい。
★ノイズリダクション <A、V>
低レベル信号(とくに高域)を強調して記録し、再生時にはその信号部分だけ利得を下げて、ノイズが目立たないようにすること。
★バイアス <A>
テープレコーダーの場合のバイアスとは、テープを磁化させるために必要なレベルの電流である。テープレコーダーは、極めて弱い音の場合はヘッドに流れる電流や磁気変化が少ない。
従って録音テープ表面の微粒子が磁化されない。つまり磁性体は、あるレベル以上の強さの磁気を加えなければ磁化されないのである。バイアスにより、あらかじめ磁化させるのに必要なレベル以上の電流を録音ヘッドに加えておくと、信号の電流がバイアス電流により嵩上げされ、極めて弱い信号であっても録音可能となる。安物のラジカセなどでは直流バイアスというのもあるが普通は40KHzから200KHz位の高周波の交流を加える。
一般のテープレコーダーではバイアス電流は固定かノーマルポジションあるいはクロムおよびメタルポジションで選択するが、高級機の場合は連続的に変化させる事ができたりテープの特性に最適なバイアス電流を自動的に設定するものもある。
バイアス周波数はテープレコーダーの周波数特性の上限の2倍以上が必要である。たとえば、上限が20KHzであればバイアス周波数は40KHz以上にしなければならない。
★Hi8 はいえいと <V>
8mmビデオを元にハイバンド化することによって高解像度化を図った規格。国内の10社が8mmビデオのオプション規格として制定。
★バイノーラル <A>
モノーラルに対する録音再生方式がバイノーラルである。ステレオではない。ダミーの頭の両耳にマイクロフォンを埋め込んで録音する原理。両耳用のヘッドホン(またはイヤホン)で聴くのをバイノーラル再生という。
バイノーラル録音のレコードをステレオ方式で再生すると不自然になる。10数年前に、ビクターが盛んにやり、限定版のような形で発売(市販)もされた。富田勳の初期のアルバムもバイノーラルとか、バイフォニックの名称で売られた。
ただし、富田勳のアルバムはヘッドフォンを使用の前提ではなく、スピーカーでのステレオ再生時に、スピーカーの左右より、もっと音が広がるように意図的に位相を作ってあったようだ。
★ハイバンド <V>
記録する周波数をより高い周波数(=ハイバンド)に引き上げ、記録できる情報量を高める方式。家庭用ではハイバンドベータに始まり、S−VHS、EDベータ全てがハイバンドによって高画質を実現している。
ただし、周波数帯域を高域にシフトするため、ノイズの増加は避けられない。また、記録波長も短くなってくるため、テープの磁性体に対する充填度、表面平滑性などが要求される。
★ハイバンドベータ <V>
ソニーがVHSに対する最後の切札として突き付けたベータビデオの新規格。ハイバンド化によって記録される情報量の拡大を図り「解像度のベータ」を取り戻し、ベータの普及を図ろうとした。
しかし、実質ベータハイファイ以前の解像度を取り戻したに過ぎず、以降ベータビデオの発売メーカは減少の一途をたどり、ベータ陣営は崩壊した。
★ハイビジョン <V>
HDTVの愛称。 → HDTV
★ハイファイ <AV>
1.High Fidility の省略形。高忠実度と称される。
2.ビデオに採用された、FM変調方式の音声を指す。この場合、必ずしも本来の意味とは一致しない(^.^;)。
★バインダー <他>
磁性粉同士を結び付け、ベースフィルム上に接着させるための接着剤。ベースフィルムが飽和型ポリエステル系のため、バインダーも飽和型ポリエステル系のものがよく使われる。
★バインダーレジン <他>
磁性粉と共に磁性層を形成する添加物。磁性粒子の分散性、耐磨耗性、耐熱性、耐候性ベースフィルムとの密着性などを考慮して選ばれるが、各テープメーカーの、テープ構成要素の重要な1つなので、詳細は不明な点が多い。
★バーコード予約 <V>
松下のビデオに採用された、新しい番組予約方式。バーコード表に書かれたバーコードを専用のスキャナで読み取ることによって、番組予約を簡単にしようとした。
また、主な新聞、雑誌にバーコードを掲載することによって、この方式の普及を図ろうとしたが、いまだに同調するメーカはない。バーコード表かスキャナをなくすと意味がなくなるのが痛いところ。
★VASS ばす <V>
VHS Adress Seach System の略。コントロールトラックのデューティ比を変化させて打ち込むのはVISSと同様であるが、変化に意味をもたせることによって自由にテープの頭出しが可能となった。最大4桁までの数字が打ち込める。
往年の8ミリビデオカメラ |
★8mmビデオ はちみりびでお <V>
世界127社が参加した「8mmビデオ懇談会」によって制定された世界統一規格の家庭用VTR。1990年現在、128社がこの規格に参加している。テープ幅が8mmあるところからこの名前がついた。カセットサイズは、ほぼオーディオのCカセット並である。
1/2インチビデオの欠点を研究しつくして作られているだけに、家庭用ビデオとしては最も先進のフォーマットである。主にカメラ一体型のリリースが多く、VHS−Cとシェアを争っている。ちなみにこのビデオでは、昔の8mmフィルム映画は再生できない(^.^;)。
★パーツ <A、V>
再生装置を構成している部品である。IC(アイシー)、トランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオード、トランス、などがそれである。
CD/LDプレーヤー、レコードプレーヤー、カセットデッキ、アンプ、スピーカーなどをパーツと呼ぶこともある、
★バックテンション <A、V>
テープ張力。ヘッドへテープを密着させるために、供給リールの回転を巻き取りリールに比べて少し遅くし張力を得る、その力。
★バリウムフェライト <他>
垂直磁化に使用される磁性体。1951年にフィリップスの技術陣によって発見された六方晶の結晶構造を持った磁性体。
1度磁化すると、その磁化を取りのぞくのに多くのエネルギーを必要とするために、工業用の永久磁石にも多用される。
結晶の大きさは、平均粒径0.08ミクロン、厚さ0.03ミクロン。板面に垂直に磁化容易軸があるので垂直磁気記録に適している。
★PAL ぱる <V>
西ドイツのテレフンケン社で開発された方式で、NTSC方式に非常に似ているためこの改良型と考えることができる。
Phase Alternation by Line の略。色彩情報を得るために、1Hディレイラインを通したものと通さないものを、加算、減算した信号を作り再生する。
NTSC方式の欠点を取りのぞいた方式であるが、1Hディレイラインが必要なため TVの価格がやや高くなるのが難点。主に水平走査線625本、1秒間50フィールド25フレーム。
★半導体 はんどうたい <他>
半導体とは、電気抵抗率(比抵抗)の小さい導体と、極めて大きい絶縁体とのほぼ中間の電気抵抗率をもった物質。
★半導体レーザー はんどうたいれーざー <A、V>
CDやLDなどの再生時に使われる半導体レーザーの発振波長は、780〜830nmが必要である。屈折率の高い物質(活性層)を、低い物質(クラッド層)で囲めば光子はその中に閉じこめられ、結合部分の両方から扇形の光線となって発射される。
実際は、全体はひ化ガリウム(GaAs)でできていて一部にアルミニウムの混じった(AlGaAs)でできている。中央部には拡散の目的で亜鉛が埋めこめられ、電流がこの中央部分に流れるようにして、屈折率の差を持たせたのと同じ効果がえられる構造になっている。
初期のLDに使われていたヘリウムネオンガスレーザーに比べて、圧倒的に小型で発振効率が高いという利点がある。光線は、結合面から扇形に発射されるので、半導体レーザーの直前にはビームの波形を理想的な円柱状に整形するコリメーターレンズが必須としてついている。
★ヒアリングテスト <A>
実際に耳で聞いてテストすることである。しかし音はベテランと素人ではテストの正確度が異なってくる。
このテストに起用している人たちにより、メーカーの音作りというものが決定されるようだ。ヒアリングテストは組み合わせる装置、ソース、ルーム、音量などで評価が変わりやすい。
★BS びーえす <V>
Broadcasting Satelliteの略。 → 衛星放送
★BNR びーえぬあーる <V>
ベータノイズリダクションの略。 → ベータノイズリダクション
★光ピックアップ <他>
以下の4つの部位により構成される。
1)レーザー光源。上記の半導体レーザーを使用
2)ビームスプリッタ。これも上記のコリメーターレンズを使用。
3)対物レンズ
光源からのレーザーをディスク表面へ集束するためのレンズで、光ピックアップを構成する中でもっとも高い精度を要求される。そのうえ、ザーボ系で動かすのでできるだけ小型軽量でなければならない。
4)光検出器
跳ね返ってきたレーザー光線を受光し、ディスクへのピント合わせ、トラッキングのための制御のための信号を受光したレーザー光線から検出する。
★PCM ぴーしーえむ <A、V>
Pulse Code Modulation の略。アナログ信号を一定の規則をもった符号に置き換える伝送方式。無限の階調をもつアナログに比べ、0と1しかもたないのでノイズに対して非常に強いという利点がある。
★VISS びす <V>
VHS Index Seach System の略。コントロールトラックのデューティ比を変化させることによってインデックス信号を打ち込む。録画時でも再生時でも打ち込みが可能で、何度でも消去できる。考え方の前身は、ベータのインデックスサーチシステムである。
★ヒステリシスカーブ <A、V>
磁気履歴曲線。磁気記録において力を加えていくときと、少なくしていくときの変異の量が違っていて、加えた力がゼロに戻っても変異が残っている現象。弾性がほとんどない粘土のようなものと思えばよい。
磁気的な場合は、磁界と残留磁気との関係で表す木の葉型の曲線。
★標本化 ひょうほんか <A>
オーディオ信号を一定の時間間隔でくぎって次々に読み出し測定する。サンプリング。連続的な量を扱うアナログは曲線になっているが、それを標本化すると細かく区切られた折れ線グラフのような階段状になる。
★標本化周波数 ひょうほんかしゅうはすう <A>
Sumpling Frequency、Fs
1秒間に何回標本化するか、言い換えればサンプルを取るかを表す数値。数値が高ければ高いほど精度があがり、原音により忠実に再生できる。
再生するときにどれだけの周波数まで再生したいかにより異なり、通常は2.2倍に選ばれる。
CDの場合はFs44.1kHzなので、44.1÷2.2=20.045・・となり、再生時には約20kHzまでの高域が再生できることが分かる。
★広がりがある音 <A>
広がりがある音を出す装置は、音場が左右にぐんと広がり、しかも中抜けが無いのである。中抜けというのは左右のスピーカーの中間の位置に楽器もなく歌手も居ないように感じる音である。
左右の音の広がりは、スピーカーの配置は同じでも1方は広く、1方は狭く感じることがある。その理由は、クロストークや位相特性およびスピーカーの指向性である。
★VHS ぶいえいちえす <V>
1976年に日本ビクターが開発した家庭用1/2インチビデオシステム。その名も Video Home System から取られたことは有名。
当初より2時間録画を目的に開発され、現在全世界に普及している。
後発の利点を生かしてベータに比べてヘッドドラムの直径を62mmと小さくし、高密度記録になっている。
ヘッドドラムは2層構造で上ドラムにヘッドが取り付けてあり、上ドラムが回転することにより形成される空気層でテープを安定に走行させている。
現在は長時間モードと薄手テープの開発で、最調8時間まで録画が可能である。
★VHSC ぶいえいちえすしー <V>
VHS用のカセットは、そのままでは非常に大きく、デッキの小型化に限度がある。そこでVHSカセット=フルサイズカセット(フルカセ)を1/3に縮小したCカセット(Cカセ)が開発された。
ただし、小さくなった分録画時間が犠牲となり、最初はSPで20分、現在では30分が限界となっている。
★VHF ぶいえいちえふ <他>
周波数帯域の名称。Very High Frequency の略。
30〜300MHzを使用。従来のTV放送に利用され、1〜12chに割り当てられている。また、FM放送もこの周波数帯を使用している。
★VHD ぶいえいちでぃー <V>
日本ビクターが家庭用ビデオディスクとしてLDに対抗して作り上げた。Video High Density Disc の略。
LDがレーザー光を使う非接触光学式であるのに対し、針を用いる接触式であり(本当は静電容量の違いをピックアップしているため、非接触:溝無し静電容量方式)、また開発当初からLDとの画質差がはっきりしていたためマニアに嫌われ、普及しなかった。
直径26cmのディスクに、回転数を一定にしたまま最大2時間の収録ができるディスクは、キャディと呼ばれるプラスチック製の保護ケースのなかに入っていて、直接触れることはできない。
VHDディスクには溝がなく、再生に使う針は底が平らで5角形をしており、その1面に蒸着された電極で再生画面を得る。
なおNTSC方式でPAL/SECAM方式を再生する場合、画像が垂直方向に19%伸び、逆は16%縮むものの、特殊な変換を行うことなく再生することができるという特長をもつ。液晶シヤッターを利用した3Dシステムも作られた。
★Vオート ぶいおーと <V>
ソニー、東芝、三洋の三社がベータグループ結成後、東芝が最初に発売した、ベータ方式の愛称。発売当時βIIをすでに搭載していた。
→ ベータコード、ベータマックス
★Vコード ぶいこーど <V>
三洋、東芝が共同開発した家庭用1/2インチビデオ。両社がベータ陣営に入ったため、自然消滅した感じになった。
なおVコードを長時間化したVコードIIというのもある。なお、三洋、東芝がベータ陣営に入った理由は、VHSのMローディングに対する不信感と、カセットのサイズが大きいということであったといわれる。
★フィーダー線 <他>
平行フィーダ、リボンフィーダのこと。伝送の形態で比較すると平衡伝送になる。
同軸ケーブルに比べ、標準減衰量が少なく軽量でたわみ性がよく経済的である。反面、外部の影響を受けやすい、耐久性が低い、金属物から離して仮設する必要がある等の欠点もある。
★4ウェイ、5ウェイ <A>
一般的な3ウェイに、スーパートゥイーターあるいはスーパーウーファーを追加したスピーカーシステムが4ウェイである。
また両方追加したシステムが5ウェイである。いづれにしても周波数特性の改善を狙ったシステムである。
★フォノ <A>
「音の」という意味である。フォノシートのフォノ、ヘッドフォン、マイクロフォンなど、いずれも元は同じである。
社名のグラモフォン、オルトフォンも語源は同様である。
★フォノモーター <A>
ターンテーブルを回転させるための動力源(モーター)である。モーターの条件としては、定速で振動が少なく回転ムラや変芯が少ないほど優れているといえる。
また、ターンテーブルとモーターを含めてフォノモーターと言う場合もある。この場合も振動や回転ムラが少なく、ターンテーブルの仕上げが良く、ダイナミックバランスが完全(首振りが無く)で、回転軸受けの摩擦が少ないこと、更にベルトやアイドラーの仕上げも重要である。
★フォロー <V>
移動する被写体を画面の中に捉え続けながら撮影する方法。カメラが移動するしないに関わらずこう呼ぶようだが、特にカメラが移動しないでフォローする場合に「付けパン」と言うこともある。
マラソン中継の映像などこれの典型的なもの。
→ パン、ティルト、トラッキング
★符号化 ふごうか <A>
量子化によって数値に変換された信号を、さらにディジタル化のために0か1の2進数に変換する。CDの場合は16bitなので16桁の2進数に変換する。オーディオでの2進数の扱い方は、0は電流だけきて電圧がこない。1は両方くる。
★太めの音 <A>
やせた音の反対を「太めの音」という。これもあまり良い音とは言えない。CDやレコードに入っていない音まで混ざってくるとか、周波数特性の低域で盛り上がりがあり中高域の解像力が悪い音になる。
★ブーミーな音 <A>
ボンボンと「ボンつく音」ともいう。その典型的なシステムは、往年のアンサンブルステレオやセパレートステレオの低音である。
100Hz位の所にピークがあり80Hzや150Hzの入力が入っても100Hzのピークの音になってしまう。ちょうど、ラジカセの低音のレベルを上げて大音量で聴くと「ボンつく音」になる。
そんな感じの音をブーミーな音という。他には、低音が全体にだぶつき気味で、しまりが悪いときにもブーミーな音という。
★ブラインドテスト <A>
目隠しテストである。ブラインドホールドテストとも言う。機種が解っているとメーカーのイメージの先入観があるため評価に不公平を生じる恐れがある。更に、デザインやサイズ、色彩などにより受ける音の感じが変わる事も有り得る。
あらかじめ高い評価の印象を与えておいて、その装置の音を聴かせると良い音に聞こえるし低い評価の印象を与えておくと悪い音に聴こえる。
そういったことを避けるために考え出されたのが、ブラインド・ホールドテストである。これには「テスターに目隠しをさせる」方法と「装置をカーテンで隠す」方法の2種類の方法がある。
★プリアンプ <A>
別名を、コントロールアンプという。CDプレーヤー、レコードプレーヤー、カセットデッキ、DAT、チューナー、マイクなどから入ってくる音声信号を増幅し、音質などのコントロールを行い、メインアンプを動作させるのに十分な電圧を作り出す装置である。
アンプ全体の音色もこのプリアンプで決定されてしまう。また回路が複雑であり歪の発生する箇所も多い。レコードを再生する場合はその信号をイコライザー回路で増幅しなければならない。
レコードの録音は、低域は小さく高域は大きく録音されている。その理由は、そのまま録音すると、低音の振幅が大きいのでレコードの溝の幅が極端に広がり、更に高音は振幅が小さいためノイズとの区別がつかなくなってしまう。
これを防ぐために、「低音を小さく高音を大きく」増幅して録音されている。その音をそのまま増幅したのでは、高音だけの音に聴こえてしまうためイコライザー回路により逆の特性で増幅を行う。
つまり、「低域を大きく高域を小さく」増幅する事により、元の音に復元ずる事が出来る。しかし、いざ設計となると本当に良い特性の物が作れない。イコライザー回路で周波数特性が悪化したり歪が増大する場合が多いのである。
次に、ほとんどのプリアンプにはトーンコントロールがついている。信号の周波数特性を大幅に変化させることにより、ユーザーは自分の聴感に合うように調整することができる。
アンプの音質を決める要素は、周波数特性、過渡特性、歪、位相特性、ノイズ等であるが、トーンコントロールは周波数特性を変えるのみであり音質を根本的に変えることはできない。
しかし、CDやレコードの録音は様々な細工を施してあり周波数特性がフラットであるものは少ない。そこでトーンコントロールにより適当な周波数特性補正をして聴感に合わせられることが要求される。適度の補正であり、使う必要がなければそれに越したことはない。その理由はトーンコントロールにより歪の原因になることも有り得るからだ。
★プリメインアンプ <A>
メインアンプとプリアンプをひとつにまとめたシステムがプリメインアンプである。現在のアンプの主流でもある。
コントロール部は、ボリューム、フィルター、トーンコントロール、ラウドネスコントロールなどで構成されている。グラフィックイコライザーや、ドルビーシステム内蔵のものもある。
★フルレンジ型スピーカー <A>
1本のスピーカーで、低音から高音まで出す能力をそなえたスピーカーである。ウーファーのコーン紙に細工をして高音まで出す方式や、スコーカーやトゥーターのfoを下げて低音まで出すようにする方法がある。
また、ウーファーの中に、スコーカーやトゥイーターを取り付けたコアキシャル型やトライアキシアル型のスピーカーあるいはダブルコーンスピーカーもある。
★フレーム <A>
CDプレーヤーでの再生可能な最少単位。分:秒:フレ−ムの順に続く。一秒は75フレームから成っている。
★プレーヤー <A>
正しくは、ディスク・レコード・プレーヤーと呼ぶ。プレーヤーとしての条件は、レコードを正確に回転させることと、カートリッジにより音溝に刻まれた信号を針先により検出し、その振動を電気の変化に変換する装置である。
その基本構成は、カートリッジ、トーンアーム、フォノモーター、ターンテーブル、
キャビネットからなる。レコードを正確に回転させる方式としては、シンクロナスモーターを用いたり、ターンテーブルの回転を光学的に検出したり磁気的に検出してフィードバック制御を行う方式などがあった。
また、モーター等の振動は微弱な電圧の変化を検出するためカートリッジには大敵であるため、「アイドラードライブ」から「ベルトドライブ」そしてモーターの回転数を、レコードの回転数である[33回転/分]や[45回転/分]まで落とす事により振動を極力抑えた「ダイレクトドライブ」方式が取り入れられるようになった。
マニアの中では「糸ドライブ」という方式も試みられた。
★プログラムソース(ソース) <A、V>
音の素になるものを全てプログラムソースという。CD、LD、DAT、テープ、レコード、放送電波、有線放送、衛生放送などをいう。
通常は単に「ソース」と呼び、音を電圧や電流などの変化に変えて電送できるようにしたものである。
★ブロック <CD>
CDの記録データの最少単位、1フレーム間に98ブロックのデータ群があり、1秒は、7350ブロックから構成される。
1ブロックのデータは、最初の8bitがサブコード、次の96bitがLch音楽信号、Lchの訂正用CIRC32bit、Rch音楽信号96bit最後にRchのCIRC32bitが記録されている。
★分配器 ぶんぱいき <A、V>
入力信号を2つ以上に分ける部分。
★ベースフィルム <他>
磁性粉を塗布するベースとなる部分。現在の磁気テープ、フロッピーディスクにはほとんどポリエステル、一般にはポリエチレンテレフタレート(PET)がベースとして使用されている。
なお、用いられているフィルムは、2軸方向(縦・横)に延伸され、強化されたものである。
★べた書き べたがき <A、V>
ビデオはたいがい回転ヘッドを用いて映像信号を記録しているが(DATも同様)、高速で回転するために、再生時、隣接トラックからの信号を読んでしまうことがある。
これはノイズとなってしまうので、プロ用の機材ではガードバンドを設けて隣接トラックを読まないようにしている。
しかし、家庭用のビデオなどでは記録密度を高めるために、このようなガードバンドを設けることができない。従って、テープ上にべたっとひきつったように信号が記録されている。これをべた書きという。隣接トラックからの信号洩れにはアジマス損失を利用して対処している。 → アジマス損失
★ベータ <V>
ソニーが1975年に開発した家庭用1/2インチビデオシステム。ガードバンドなしのべた書き記録方式からべた書き → ベータと名付けられたことは有名。Uマチックをコンパクト化することを目標にしたため、記録時間もβIで1時間となり、2時間記録を基本とするVHSとの録画時間競争に敗れる原因となった。
カセットの大きさは葉書大(文庫本サイズ、当初、ソニーの社員手帳の大きさを目標に開発された)。現在は長時間モードおよび、薄手タイプのロングテープの採用で、最長5時間までの連続録画が可能となっている。
ビデオおたくにはベータファンが多く、VHSが普及してしまった現在さびしい暮らしを送っている(基本性能は、、、などと虚勢を張ったりする(^.^))。
★ベータカム <V>
最初から放送用を目的に、NHKとソニーが共同開発した1/2インチビデオシステム。ヘッドドラム径、テープサイズは通常のベータと変わらないが、4ヘッドシステムによるY/C分離記録(別トラックに記録)、βIの3倍のテープ送り速度など、放送用1インチビデオに迫る画質を誇る。
実質、放送用の分野ではベータカムの独壇場で、事件現場などには各社のベータカムが勢ぞろいする。これも最近ハイバンド化され(ベータカムSP)、ラージカセットが追加されて90分を越える録画が可能となり、取材用の他、送り出し用のソースとしても使用されている。
また、ベータカムSPにはFM音声も採用されている。なお、ベータカムSPとベータカムには互換性があり、ベータカムSPで録画したテープをベータカムにかけてもそのまま再生できるという特徴をもつ。
★ベータコード <V>
ソニー、東芝、三洋の三社がベータグループ結成後、三洋が最初に発売した、ベータ方式の愛称。発売当時βIIをすでに搭載していた。
→ Vオート、ベータマックス
★ベータノイズリダクション <AV>
Beta Noise Reduction の略。ベータ方式ビデオのノーマル音声トラックのS/N比を改良するためにつけられたもの。機構はdbx方式によく似た全帯域圧縮伸長型。SONYのSL−J7に始めて採用された。
ハイファイビデオが登場する前の、一部のステレオ録再可能な高級機種にしか搭載されていなかったのだが、最近またSL−2100で復活した。
★ベータマックス <V>
ソニーのベータ方式VTRの愛称。 → ベータコード、Vオート
★ヘッドギャップ <V>
磁気ヘッドのコア材のテープと接する部分に設けてある狭い隙間。磁束はこの隙間からもれていき、テープの磁性体を磁化する。
通常この隙間には、ガラスなどの絶縁物が毛管現象を使って埋め込んであり、目詰まりなどを防止している。
★ヘリカルスキャン <V>
斜め走査をいい、ヘッドに対してテープを斜めに巻き付けて記録する方法。現在、ビデオ記録の主流である。
★ベリドックス <他>
酸化鉄としての鉄と酸素との比を、ガンマ酸化鉄と酸化鉄の中間に選んだベクトライド化合物を使用。コバルト添加による加圧減磁などの影響を少なくしている。高角型比と高残留磁束密度とを得ている。
1973年に富士写真フィルムから発表された。
二酸化クロムテープの欠点であるヘッド磨耗を改善し、かつ同等以上の磁気特性をもつ磁性体。
★飽和現象 <A、V>
全く磁気のない0の状態からしだいに磁界をかけてゆくと、磁性体は磁界に比例して磁化されるのではなく小さなループ(マイナーループ)を描いて磁化され、やがてこれ以上磁化されなくなる。この現象のこと。
★保磁力 <A、V>
磁界の強さ。最大残留時束密度を0に戻すためにかける逆向きの磁界のこと。これも、テープの性能の1つとしてよく使われ、強いほど(保磁力があるほど)記録が外界からの影響に対して強く、いつまでも記録が残る。省略形はHc、単位はエルステッド。 → 抗磁力
★ポータブルステレオ <A>
携帯用に超小型化されたステレオである。現在はウォークマンやCDウォークマンがこれに該当する。
★ホワイトクリップ <V>
エンファシスをかけると信号の立ち上がるところにシャープなピークができる。このままFM変調をかけると再生したときピーク部分が再生されず、反転ノイズとなる。
これを防ぐためにある程度のところでクリップをかける。エンファシスを深くかけるほどピークは大きくなり、ホワイトクリップで切られる情報量は大きくなり、再生時、波形のなまりとなる。
ホワイトクリップ**%というのは同期信号尖端からホワイトピークまでを100%としたとき、**%のところでカットしてますよという意味。
【例】 VHSの同期信号尖端3.4MHz、ホワイトピーク4.4MHz、ホワイトクリップ200%として、
(4.4−3.4)×200(%)+3.4=5.4(MHz)
VHSのホワイトクリップ周波数は5.4MHzであるといえる。これ以上、高い周波数は記録されていない。
★ホワイトピーク周波数 <V>
白100%の信号が入力されたときに、FM変調される周波数。
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【マ行】 |
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★マエピン <C>
前ピン。被写体の前方にピントがずれている状態。 → アトピン
★マスクピッチ <V>
ドットピッチや、ストライプピッチがカラーブラウン管表面上のRGB蛍光体トリオの密度を表すのに対して、色選別用マスクそのもののピッチを差す。ドットピッチや、ストライプピッチとは1対1に対応するのでこちらの数字を使用することもある。
但し、数字はこちらの方がドットピッチ、マスクピッチに比べて少し小さくなる。→ドットピッチ、ストライプピッチ
★マトリックス4チャンネル <A>
疑似4チャンネルステレオ方式である。すなわち2チャンネルステレオを疑似的に4チャンネル化したものである。
スピーカーの設置方式はディスクリート4チャンネル方式と同じ形態である。 しかし疑似であっても、かなりの効果が得られた。
マトリックス4チャンネル方式は現在のドルビーステレオ方式に引き継がれている。
★マルチウェイシステムの短所 <A>
マルチウェイシステムは長所ばかりではない。第1に定位が悪化することがある。たとえば大きなマルチウェイシステムの音を小さな部屋で聴くと、低音、中音、高音、の出る場所が異なるため定位がふらつくことになる。
小さな部屋の場合は、1ウェイか2ウェイの小型のシステムが有利である。
第2はスピーカーユニット間の相互干渉も問題になる事もある。
各ユニットから出る音に位相のズレがあるためそれが音に影響をおよぼす。
第3は音のつながりである。各ユニットの音色やレベルに差があると1つの音として聴こえない。
またクロスオーバー周波数付近で耳障りな音がでやすくなる。
第4はLCネットワークやマルチアンプのフィルターが入ることにより、位相のズレやダンピングの劣化そして歪も増える。
いい加減なLCネットワークやフィルターが入ると最悪の音になる。
★マルチウェイシステムの長所 <A>
マルチウェイスピーカーシステムのメリットは周波数特性が改善されることが第1である。1ウェイでは、大口径スピーカーユニットの場合、高音が不足し小口径ユニットの場合は低音が不足する。
2ウェイ、3ウェイの場合も同様であるがマルチウェイにすると再生周波数帯域の拡張は容易である。スーパートゥイーターとスーパーウーファーの追加により20Hz〜40KHzをカバーする事もできる。
また、指向性の改善も大きな目的である。口径の大きなスピーカーユニットでは、音が正面だけに集中してしまいがちであるが、マルチウェイシステムでは、波長に応じた最適な口径のスピーカーユニットを使用する事により指向性を改善できる。
次に、各種歪の減少もマルチウェイシステムの特長である。大口径のスピーカーユニットで中高音を出そうとすると、コーンが分割振動を起こし歪が増える。またダンピング特性も悪化する。
さらに、高音と低音を1つのスピーカーから出そうとすると、高音が低音の影響をもろに受け音が歪む。これを混変調歪という。マルチウェイシステムにすることにより、これらの歪を大幅に減らすことができる。
マルチウェイシステムは許容入力の増大も大きな特長である。各種の歪の減少により、システム全体としての無歪許容入力を大幅に拡大できる。
★密度が高い音 <A>
密度が高い音というのは、「解像力+奥行き+広がり」と解釈して良いだろう。同じレコードを聴いても装置Aでは50の音しかでないが装置Bでは100の音が出る。そのような違いである。
★ミニコンポーネントステレオ <A>
通常のステレオのサイズを小さくした機種。一般のサイズが幅430mmに対して、幅340mmの機種のことを指す。
CDプレーヤー、アンプ、スピーカー等が独立している。4点セットとか6点セットという製品である。同一メーカー製品で構成されており別売はしない。通常「ミニ・コン」という。
★無彩色 むさいしょく <V>
色としての情報のない色の事。専門用語では、彩度、色度共に0の色。簡単には白黒の画面を構成する白から黒に到る色の事。
人間の目はどんな色も微少な点になって来ると白黒の無彩色としてしか感じなくなる。この性質を利用してカラーTV放送の規格が作られている。
★鳴竜現象 めいりゅうげんしょう <A>
日光の東照宮の鳴竜と同じ現象である。天井と床、壁と壁との間で、音が往復反射を繰り返していると特有の音色がつく
手を叩いたときの音には低音から高音までいろいろな周波数の音が混ざっている。壁はその全ての音を同じように反射するわけではなく、ある音は強く反射するが、ある音は吸収される。
そうして往復反射をくり返しているうちに特定の周波数の音だけが残りビィーンあるいはジーンという鳴竜現象が起きる。この現象は中高音で起きるので、カーテン1枚で防止できる事が多い。
★メインアンプ <A>
別名、パワーアンプとも言う。スピーカーはCDプレーヤー等の微小信号では鳴らない。スピーカーを鳴らすために必要な電力を作りだすアンプをメインアンプという。
スピーカーにもよるが、鳴らすには高い電圧は必要なく、大電流が必要とされる。メインアンプの出力は、電源とパワートランジスタあるいはパワーICで決定される。電源の余裕がないと、アンプの出力を上げたとき電源電圧が低下し十分な出力を得ることができないどころか歪の発生の直接原因になる。
ほんの一瞬であれば問題がないが、一定状態での出力が出せない。
一瞬(瞬間)の出力を「ミュージックパワー」といい、一定状態での出力を「連続出力」とか「定格出力」と呼んでいる。
メインアンプは、ミュージックパワーよりも、定格出力の方が重要なのである。
スピーカーには直流成分を加えると、コーン紙がずれたまま鳴る事になり歪が増大する。そのためアンプでは直流成分をカットする事が必要である。
その方法としては、「出力トランスを使う方法(OPT方式)」、「出力コンデンサーを使う方法(OC方式)」、「コンデンサーを使用せずプラス・マイナスの電源で直流成分を打ち消す方法(OCL方式)」が基本的である。
[OPT方式]
管球式アンプの大部分はこの方式であった。元来、単に直流成分をカットするための目的ではなく、インピーダンス変換が主たる目的であった。
真空管のインピーダンスは5KΩ(5キロオーム)〜10KΩ(10キロオーム)もあり、8オーム程度のインピーダンスのスピーカーを鳴らすことは出来ないため、出力トランスによりインピーダンス変換を行うと同時に「高電圧小電流」を「小電圧大電流」に変換したのであった。
[OC方式]
ローコストのトランジスタパワーアンプやICパワーアンプはこの方式である。アンプの出力回路に大容量の出力コンデンサーを用い直流成分を遮断する方式である。
出力コンデンサーの容量が小さいと低域の特性が悪化する。安物のアンプの場合は、100Hzあたりから低域の出力が低下し、歪が増大するとともにダンピング特性が悪くなる。
[OCL方式]
低域に影響を与える出力コンデンサーを使用しない方式である。基本的には出力回路をプラス電源とマイナス電源により動作させることにより、スピーカーへの直流成分を打ち消してしまう仕組みである。
原理的には出力コンデンサーがないため低域の出力が低下する事はない。ただし、これは良く設計、調整された場合であり、いい加減に設計すると、プラス、マイナスのバランスが狂い歪が増大したり、最悪の場合は出力に直流成分が出てきてしまう場合もある。
★メタルテープ <他>
酸化鉄系磁性体に対して純鉄を使うテープ。
酸化鉄系磁性体に対して飽和磁化が大きく保磁力が大きくとれることが最大の特長になるが、その反面、
1)従来のテープより表面性の向上が必要。
2)磁性体の磁化が大きく、塗液中で粒子が凝集しやすい。
3)磁性粒子が化学的に不安定。(純鉄のために酸化する)などの諸問題もある。現在市販されているが、さらなる特性の向上とコストダウンが必要。
★モジュラーステレオ <A>
セパレートステレオを小型化したものであり、CDプレーヤーやカセットデッキとアンプを一体化し、スピーカーを組み合わせたものである。
ミニコンポの原型といえよう。「オール・イン・ワン」ともいう。
★モックアップ <A、V>
試作機以前の段階のものである。すなわち外観は本物と同じであるが、中身がない。要するに、提案のためのモデルである。
ゴーサインが出ると試作機にとりかかる。
販売開始の数カ月前からAV雑誌などに広告写真が掲載されているのは、このモックアップであることが多い。
★モデルチェンジ <A、V>
何から何まで(デザインや型番、回路など)すっかり変えるのがフルモデルチェンジである。デザインや型番はそのままで、回路だけこっそり変えるというのがマイナーチェンジという。
例えば、アンプのICを変更する。
スピーカーシステムのネットワークやユニットを変更する。CDプレーヤーのDAコンバータを変更するなどである。従って、同じ型番であっても発売当初の製品よりも1年後の製品の方が良い場合がある。
製品の説明書に「この規格は予告無しに変更する事があります」とあらかじめ断っているのがその為であり、マイナーチェンジは常に行われているのが普通である。ユーザーとしては製品の発売日と製造年月を調べてから購入するのがコツである。
★モニターシステム <A>
モニターとは監視者の意味である。スタジオで再生装置などの音の出来具合を試聴するのがモニターシステムと呼び、その音をモニター的な音と呼んでいる。モニター的な音というのは、周波数特性がフラットで過渡特性が優れ、歪率が低く、更に特徴的なのは極めて音圧が高い音である。
スピーカーの音は小音量で聞くと細かい部分がハッキリしない傾向にあるためモニターでは普通以上に大音量で試聴する。
しかし、モニターの音は美しい音と言うわけではない。たとえば、再生装置の周波数特性をフラットにし大音量で聞くと、うるさくて疲れてしまうような音と思って良い。
★モノフォニック <A>
マイクは1本でも何本でもよいが「音」としては1つにまとめてしまうのがモノフォニック録音である。これがモノーラル(MONO)である。
スピーカーが何本あっても全てから同じ音を出しているのがモノフォニック再生という。AMラジオや場内放送もモノフォニック再生である。
★モノーラル(モノラル) <A>
片耳効果である.片耳のイヤホンで聴くのがモノーラル再生である。
モノーラルに対する効果が、ステレオであると思われているが、これは間違いである。
ただしモノーラルとモノフォニックは混同されているため「モノーラル=モノフォニック」と解釈しても良い。
★やせた音 <A>
「やせた音」は何かが足りない場合になりがちになる。CDやレコードに100という音が入っているのに50%しか再生できない。
あるいは、指向特性や位相特性が悪くて奥行きや広がりが足りない場合に「やせた音」になってしまう。周波数特性では低音不足が「やせた音」につながる。
★UHF ゆーえいちえふ <他>
周波数帯域の名称。Ultra High Frequency の略。
300〜3000MHzを使用。VHFよりも高い周波数で、従来のTV放送の13〜62chに割り当てられている。比較的直進性が強く、外部からのノイズの影響が少ない。
★ゆとりのある音 <A>
音の質としては、金属音でもなく、やせた音でも太めの音でもなく、刺激的な音が出ず適当な甘さがあり、くつろいで聴ける音である。
音量的には文字通り「ゆとり」が必要だ。
★ユニット <A、V>
構成単位のことである。CD/LDプレーヤー、レコードプレーヤー、カセットデッキ、アンプ、スピーカーなどは装置を構成するユニットである。
正確にはスピーカー単体をスピーカーユニットと称するように、裸の状態のものをいう。
★Uマチック ゆーまちっく <V>
1/2インチビデオができる前に作られた、家庭用3/4インチビデオ。松下、日本ビクター、ソニーの3社共同提案となっている(基礎はソニーが作り上げた)。現在は放送用として業務使用されている。
非常に画質がよく、ダビングしても1/2インチビデオのように画質が落ちない。これもハイバンド化され、UマチックSPとして製品化されている。ちなみにUマチックというのはソニーの商品名で、通常称するときはU規格で良い。
また、UマチックとUマチックSPには互換性があり、UマチックSPで録画したテープをそのままUマチックで再生することが可能である。1時間記録のカセットの他に、20分記録用のスモールカセットがあり、自動検出されるため、特別なアダプタは必要ない。
★Uローディング ゆーろーでぃんぐ <V>
Uマチック、ベータ方式に採用されているテープローディング。1個のローディングリングを、回転ドラムを中心に180度正逆方向に回転させるだけでローディング、アン ローディングが行なる。
また全ての動作時に可動のローディングガイド類から完全に切り離されるのが大きな特長。
VHSを中心に採用されているMローディングよりテープへの負担が小さいため、ベータには早くからピクチャーサーチが採用された。Uの文字は、テープがヘッドドラムにU字型にローディングされるところから来ている。
★4チャンネルステレオ <A>
4種類のモノーラルの信号を流せるシステムで、ディスクリート4チャンネルステレオ方式が純正である。
普通、スピーカーをフロント側に2台、リア側に2台、計4台設置し、人間はスピーカーの対角線の中央で聴く。
フロントに4台置く方法やリア側のスピーカーをサイドに持ってくる設置方式がある。
いずれにしても再生音像を自由に移動でき定位させることができ再生音場は飛躍的に拡大できるのがディスクリート4チャンネルの特徴である。
日本ビクターのCD−4方式が有名であったが、アナログレコードによる方式は塵によるノイズの影響が多大で廃れてしまった。
★ライン相関性 らいんそうかんせい <V>
映像信号における走査線で、現在の走査線と1本前の走査線、また、現在の走査線と1本あとの走査線は非常によく似ている。
これを称してライン相関性と呼んでいる。
★リスニング・ルーム <A>
リスニング・ルームとは再生装置やスピーカーシステムを置いて音楽などを聴く部屋である。ヘッドフォンは部屋を選ばないが、一般のスピーカーシステムは部屋と密接な関係にある。
小さな部屋で聴くか大ホールで聴くか、それによって適合するシステムも変わってくる。空間を壁で仕切ったものが部屋である。
その壁の大きさと性質で部屋が決まる。壁とは、何かを遮る板である。光波、音波、空気、熱、水、人間など、さまざまなものを遮る壁もあれば、この中のいくつかを選択的に遮る壁もある。特に音波をよく遮る壁を遮音性の壁という。
理想のリスニング・ルームは内外の音波を遮断するため全面遮音性の壁で囲み、内側には吸音材を貼って音波の反射を適当に減らす。
広さは10畳から20畳位ほしいところだ。部屋の形は定在波の発生を防ぐため、天井や壁に傾斜をつけるとか床を扇形にできれば申しぶんない。しかし、このような環境を得られるユーザーは少ない。
そこで現実のリスニングルームを述べてみよう。部屋の大きさは6畳いっぱいに使える事。ただし真四角な部屋は禁物である。
音楽を聴くのは絶対にリスニング・ルームでなければならない、と言うわけでない。リビング・ルームも工夫しだいで立派なリスニング・ルームになる。
(遮音処理)
音波がつつぬけで困るという場合は遮音処理を行う。今時、紙の「ふすま」は無いと思うが、もしそうであれば合板の「ふすま」に交換する。この場合、1枚の厚い合板より間に吸音材を挟んだサンドイッチ式の方がよい。
そのほうが遮音効果が良くなる。壁も同じように吸音材を挟んだサンドイッチ式にするとよい。
(吸音処理)
室内の反射が強すぎて声が響いたり(残響現象)する場合は吸音処理を行う。カーペットやカーテンなど、厚くて重みのあるものが効果的だ。
吸音処理は適度に行うことが「コツ」であり、やりすぎは逆効果である。吸音材は中高音に最も効果がある。
したがって使いすぎると中高音不足になり全体に音が小さく感じ低音だけが強調されたブーミーな音になりやすい。ある程度の反射(残響現象)も必要なのである。
(部屋とスピーカーシステムとの相性)
理想からはるかに遠い部屋でも、スピーカーシステムを選ぶ事によって何とかなる。その逆に、処置なしのスピーカーシステムであっても部屋で救われる事もある。部屋とスピーカーシステムの相性は最も大切である。
低音不足のスピーカーシステムは遮音性の壁を背にして床に直接置く。低音の出すぎるスピーカーシステムの場合は、壁から離し床から持ち上げるといった方法でもコントロールできる。
★量子化 りょうしか <A>
標本化した信号を数値に置き換える操作。Fsは再生時の高域伝送限界を表すが、量子化は再生時のダイナミックレンジが分かる。
CDの場合は16bit直線量子化なので計算上は16×6+1.8=97.8dBとなる。
なお1.8は余裕分としてみている。6は磁気記録のオクターブ6dbのカーブを参照段階的には2の16乗(16bit)になるので65536段階になる。
★量子化雑音 りょうしかざつおん <A>
標本化によってサンプルされた信号が量子化されたとき、桁数が足らないために四捨五入されたとき、この誤差電圧は再生時にノイズになる。この雑音のこと。
★リング型ヘッド <A、V>
馬蹄形磁石のようにわずかな隙間を挟んで、N極とS極が向かいあっているヘッドの総称。通常のVTR、カセットデッキのヘッド。
★レコード <A>
一般的には円盤のアナログレコードを指す。正確にはフォノシート、フォノディスクと呼び、CDを含めたレコーデッドディスク全てを指す。
現在はアナログレコードの生産がコンパクトディスク(CD)に対して極めて少なくなっており生産中止も間近である。
★レーザーディスク <V>
オランダのフィリップスと、アメリカのMCAが共同開発したビデオディスク(絵の出るレコード)。商品化は日本のパイオニアが行った。
直径30cm、厚さ2.5mmで、再生は、CDと同じくレーザー光線を当てることによってその反射光を読みとって行う。
水平解像度400本以上をもち、なんら規格変更することなしに現在の高画質時代に生き残ることができている。回転数一定のCAV(標準ディスク)と、線速度一定のCLV(長時間ディスク)がある。
CLVといってもVTRの長時間モードとは違い、明らかに判るほどの画質の劣化はない。これは、CLVの線速度が11.4m/秒と非常に高速なためである(ちなみにCLVの線速度とCAVの最内周の線速度は同じである)CD同様、再生は最内周から行う。
初期はFM音声のみであったが、現在はデジタル音声(CDと同一フォーマット)も搭載され、今最もラジカルなAVソースである。
★ワイプ <V>
映画における場面転換の手法。画面の左方向から右へ、あるいは上から下へ画面を拭き取るように次のカットと入れ替わる方法。
ビデオでは非常に複雑なパターンで切り替えることが出来る。
→ ワイプイン、ワイプアウト
★歪率 わいりつ <他>
いかなる周波数においても入力信号波形と出力信号波形が等しければ周波数歪がないといえる。しかし一般の装置では高調波歪というのが発生する。
つまり、元の波形に高調波歪が加わった信号が出力される。この高調波が何%出てきたかにより歪率が決まる。
高調波は元の周波数の整数倍の波である。歪には、周波数歪の他に、位相歪、振幅歪がある。当然、歪は少ない方がよい。ただし歪率というのは高調波歪の場合のみに使用する。
★1ウェイ・1スピーカーシステム <A>
1本だけのスピーカーで構成されたスピーカーシステムである。スピーカーユニットには、フルレンジ型やダブルコーン型が多く使われている。
ローコストではあるが、聴きやすく、優秀なスピーカーユニットと優れたスピーカーボックスを採用した場合は、へたな3ウェイスピーカーシステムをしのぐこともある。
1ウェイの特徴は、低域から高域までのバランスが優れ定位が確かで、トゥイーター等との難しいバランス調整が不要なことである。
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